四肢筋の単関節と多関節運動による筋肥大効果
筋力トレーニングは基本的に多関節運動を軸にプログラムを構築することが多いです。例えば1セッション50分など限られた時間でプログラムを考えると、単関節運動をいくつも組み込むのはなかなか難しいです。
単関節運動はアームカールのような1つの関節しか動かない種目が当てはまります。
一方の多関節運動はスクワットやベンチプレスのようないくつかの関節が動く種目が当てはまります。
この多関節運動と単関節運動は筋肥大効果に差があるのでしょうか?これを調べた研究を紹介します。
要旨
我々は、四肢筋の筋肥大に対する単関節(SJ)および多関節(MJ)抵抗運動の効果を比較する系統的レビューとメタ分析を行った。
健康な成人において、SJとMJの抵抗運動、およびその組み合わせによる筋肥大の変化を直接比較した無作為化試験を特定するために、系統的な検索を実施した。合計7件の研究が含まれ、10件の入れ子比較から構成されていた。
メタ分析では、標準化点推定値は小さく、信頼区間推定値は比較的中程度の精度であることが示された。
サブグループ分析では、SJ+MJトレーニングの組み合わせとMJトレーニング単独の組み合わせ、および、体積等倍と非等倍の条件で研究を層別化しても、結果には影響がないことが示された。
しかし、個々の研究を精査し、関連する間接的な証拠と合わせると、SJ運動は、筋小節を優先的に肥大させる能力を提供し、より完全な筋発達を促進する可能性があることがまとめて示される。
我々は、現在のエビデンスが、MJとSJトレーニングの間で同様の全筋肥大を示すと結論付けている。
SJとMJを組み合わせることで、特定の筋の個々の側面をターゲットにした付加的な利点があるかもしれないが、この仮説はまだ十分に検討されていない。今後、レジスタンストレーニングにおけるSJおよびMJエクササイズの部位筋肥大への影響を探る研究が必要である。
まとめ
単関節運動+単関節運動の組み合わせと、多関節運動だけのトレーニングでは結果に影響がないことが分かりました。
しかし、単関節運動は特定の筋発達を促進する為、単関節と多関節を組み合わせると効果的かもしれないね。(まだはっきりとは分からないけど)という事でした。
現段階ではどちらも筋肥大効果は変わらなそうなので、トレーニングプログラムを組む際は多関節運動を中心にしておくと間違いは無さそうです。
参考文献
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パーソナルトレーナー 井上大輔
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