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  • 2024.06.13

タンパク質以外の筋肥大サプリメント


筋肥大を促すための栄養として、タンパク質が必要なのはよく知られています。

プロテインなどの栄養補助食品から摂取している人も多いと思います。

タンパク質が不足している人は少ないと思いますので、今回は、タンパク質以外で、筋肥大に役立つ栄養補助食品をレビューしたいと思います。

2024年4月のレビュー論文をもとに紹介しますので、現時点で最新の情報まとめとなります。

筋トレによる肥大のメカニズム概要

筋トレは、以下の急性イベントの連続により骨格筋肥大を誘発します。

  1. 筋線維収縮の活性化
  2. 以下に起因するシグナリング経路の活性化
  • 筋線維核と膜の機械的ストレス
  • 全身ホルモンの放出
  • 免疫および急性炎症反応に関与するマイオカインの放出

  3. タンパク質転写と翻訳の活性化による筋肉タンパク質合成の増加

難しいことがいくつか書いていますが覚えなくて良いです。

筋肥大はこんなことが体内で起こっているんだね、くらいの認識で大丈夫です。

タンパク質

タンパク質はみなさんよく知っているので、復習程度で聞いてください。

ホエイタンパク質、動物性タンパク質を摂る。

1食のタンパク質は30〜40gを推奨。40gで頭打ち。

パワー系アスリート、ボディービルダーは少なくとも体重1kgあたり1.7gのタンパク質。

持久力アスリートは1.6g。

3.0gまでは一応安全とされている。

効果と現実性・安全性を考えると2.0g摂れば充分。

炭水化物(糖質)

炭水化物の適度な摂取が推奨されているにもかかわらず、いくつかの研究は、炭水化物の摂取量を減らすことは、

パフォーマンスとキン合成の両方を損なわないことを示唆していることに注意する必要があります。

つまり結論は出ていません。

一方で、筋グリコーゲンの枯渇は、ATP補充率の低下につながり、疲労に寄与する可能性があります。

これが間接的に急性キン出力の減少に寄与し、その結果、肥大刺激の減少に寄与する可能性があります。

したがって、筋肥大やパフォーマンスに影響があるかもしれないし、ないかもしれない、ということであれば、炭水化物を摂っておくに越したことはないと考えます。

低強度活動は1日体重1キロあたり3〜5 g、高強度運動は1日体重1kgあたり8〜12 g の炭水化物ターゲットが、各学会により推奨されています。(アメリカスポーツ医学会、アメリカ栄養士協会、カナダ栄養士)

オメガ3

トレーニングをすると筋肉が炎症を起こします。

慢性的な低悪性度の炎症状態は有害ですが、運動に対する急性炎症反応は、筋肉修復プロセスと衛星細胞の増殖を刺激するために必要です。

オメガ3は炎症過程を調節し、トレーニングに対する骨格筋の反応を最適化してくれます。

筋肉はマイナスとプラスを絶えず繰り返して、一定の量を保ちますが、オメガ3はマイナスの部分を小さくしてくれるということです。

これにより差し引きプラスになりやすくなります。

オメガ3が直接的に筋肉を増やすことはありませんが、筋肉を残しやすくするといえます。

また筋力が向上することが分かっているので、トレーニングの質を高め、これも間接的には筋肥大に役立つ可能性が高いです。

1日3g程度のオメガ3を摂取すれば充分です。(EPA6:DHA4くらい)

微量栄養素

・ビタミン

ビタミンはエネルギー代謝に必要です。

代謝とは筋肉の合成や、筋収縮のためのエネルギー供給などで、トレーニングをする人にとっては特に重要です。

タンパク質やカロリーを摂っているけど筋肉がつきにくいとか、トレーニングのパフォーマンスがなかなか上がらない場合は、

微量栄養素が不足しているパターンも多いにあります。

抗酸化ビタミン(E・C)の補給は、酸化ストレスから筋肉を保護し、アスリートの運動耐性を改善し、

激しいトレーニング期間中に健康な免疫システムを維持するのに役立ちます。

ビタミンEは、筋肉の分解プロセスを制限します。

対照的に、高用量のビタミンCとEを長期間(10週間毎日1000mgと230mg)摂取すると、高強度筋トレに対する反応に悪影響を及ぼし、時間の経過とともに肥大刺激を減衰させる可能性が高いという研究もあります。

ビタミンDは、筋肉収縮の強さに関与します。

さらに、間接的にタンパク質合成に影響を与えます。

トレーニングと組み合わせることで、ビタミンD補給(毎日50μg 16週間)は、筋肉の再構築に影響を与える可能性があるようです。

一般的に、アスリートが充分な微量栄養素摂取量を摂取できない場合、低用量の毎日のマルチビタミンおよび/またはビタミンサプリメントを検討します。

しかし、長期の高用量摂取は筋肥大を鈍化させる可能性があることを考慮しましょう。

基本的に、バランスの取れた食事ができていれば、サプリメントによるビタミン補給は必要ないです。

時々(週1〜2回くらい)、鯖缶とアーモンドを食べれば大丈夫です。

野菜と果物は毎日食べましょう。

・ミネラル

ミネラルは、組織を構造的に支え、酵素やホルモンの働きに重要な役割を果たし、代謝や神経プロセスの調節を助けます。

ミネラルレベルが低いと運動能力が低下する可能性があり、不足しているアスリートにミネラルを補給すると運動能力が向上することがわかっています。

マグネシウムの補給と筋肉の健康に関するエビデンスはまだ不足しています。

亜鉛は人体の200以上の酵素の補酵素であり、主に筋肉に貯蔵されています。

体内の亜鉛の50%以上が筋肉に貯蔵されており、亜鉛は複数の方法で筋肉量の制御に寄与しています。

さらに、健康な成人の血清テストステロン値と関連しており、この無機元素の補給は、亜鉛欠乏症の成人のテストステロン値を上昇させ、成長不全の小児の筋肉量を増強することが示されています。

このような理由から、亜鉛の欠乏は、タンパク質のターンオーバーや筋肉増強に悪影響を及ぼす可能性があります。

一方で、推奨される食事摂取量よりも多い量の亜鉛摂取を支持するエビデンスはありません。

亜鉛は肉や魚介類に多く含まれるので、不足するケースはタンパク質の摂取量が少ない時です。

特に朝の食材からのタンパク質摂取が少ない場合は、毎日ちょっとずつ不足が出ている可能性はあるので、週1回くらい牡蠣やレバーを食べたり、サプリメントで補うと良いかなと思います。

・ポリフェノール

ポリフェノールは、果物、野菜、お茶、赤ワイン、チョコレートなど、植物やその製品に自然に含まれる成分です。

現在までに8,000種類以上のポリフェノールが同定されていますが、特定のポリフェノールは、強い抗酸化作用と抗炎症作用があるため、筋肉の健康に関係しています。

先ほどのオメガスリーと同様に、マイナスを小さくする効果があるということです。

ポリフェノールの摂取は、抗酸化能と筋原線維タンパク質合成を高めることにより、レジスタンストレーニングに対する反応を促進するようですが、

その分子メカニズムはまだ完全には解明されておらず、筋肉に対するポリフェノールの役割についてさらなる研究が必要です。

とりあえず、野菜と果物を摂っておけば勝手に摂取できます。

・クレアチン

クレアチンは、主に運動能力への影響について最も研究されているサプリメントの1つです。

短時間の高強度運動能力を高めることができます。

クレアチンの補給は、筋肉内のクレアチン貯蔵量を20~40%近く増加させるため、クレアチンの十分な摂取は、除脂肪体重の増加、等尺性筋力の増加、高強度運動の急性パフォーマンスの強化につながります。

国際スポーツ栄養学会および国際オリンピック委員会の声明では、クレアチン貯蔵量を増加させるための最も効果的な戦略は、以下の通りです。

ローディング段階:1日20gを4回に分けて(5g/回)、5~7日間連続投与。

維持期:補充期間中ずっと3〜5gのクレアチンを供給する。

炭水化物の同時摂取は、インスリンを介した効果により、クレアチンの筋肉内滞留を増加させることができます。

上記のプロトコルでは、長期間の使用(結果として約4年間の補給)でも健康への悪影響は観察されませんでした。

アスリートにとってはプロテインに次いで、優先度の高いサプリメントになると考えられます。

・プレバイオティクス/プロバイオティクス

プレバイオティクスとは、大腸菌の活性や増殖を選択的に刺激し、宿主の健康に良い影響を与えることができる難消化性物質です。

(フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ラクチュロース、イヌリン、レジスタントスターチなど)

プロバイオティクスとは、特定の食品に含まれる細菌や微生物のことです。

人間の健康やスポーツ選手のパフォーマンスに関連する微生物叢の構成など、いくつかの健康上の成果を改善する可能性が示唆されています。

しかし、これらのバイオティクスと筋肉の合成について、ヒトを対象にした研究はごくわずかです。

したがって、筋肥大や運動パフォーマンス向上を目的として、サプリメントとして摂取するには根拠がないと言えます。

菌・微生物の種類も膨大ですから、どの菌がポジティブに作用しているのか特定することも困難です。

商業的には、ヨーグルトなどで丸々菌などを見かけますが、向こう数年はこういった類の商品は無視で良いです。

普通にヨーグルトとして美味しいものを買えば良いと思います。

試験管だけの研究とか、自社で研究したとか、そんなのばかりですからね。

この分野に関しては、今後の研究を気長に待ちましょう(5年とか10年単位先)

・ホスファチジン酸

筋肉量に対するホスファチジン酸補給の効果を調べたヒトの研究では、議論のある結果が得られています。

ホフマンら(2012)が実施した研究では、750mgのホスファチジン酸を補給することで、トレーニングを受けた若年成人の筋力(1RMベンチプレスと1RMスクワット)の向上と除脂肪体重の改善に効果が期待できることがわかりました。

別の研究では、750mgのホスファチジン酸を含む多成分サプリメントを補給することで、トレーニングを行った男性の除脂肪体重と1RMベンチプレスおよびスクワットが向上することが示された(Escalante et al.) 

逆に、別の研究では、8週間にわたり週3回のトレーニングとホスファチジン酸サプリメントを併用しても、トレーニング参加者の筋厚や1RM筋力の変化には、プラセボと比較して差のある効果は認められなかったとしています。(Gonzalez et al.) 

いくつかの知見は有望と思われますが、ヒトにおける筋肉の成長とパフォーマンスに対するホスファチジン酸の影響を完全に理解するためには、さらなる調査が必要です。

まとめ

以上のことから、タンパク質のみならず、野菜や果物も間接的には筋肥大や運動パフォーマンスに影響してくると言えます。

一部の栄養補助食品は、スポーツ栄養において補完的な役割を果たし、筋力トレーニングに対する肥大反応をサポートすることができます。

筋肥大を目指すアスリートは、炭水化物、オメガ3、その他の微量栄養素の1日の摂取量を、特に食事から満たすようにすべきです。

条件によっては、筋力増加に影響を与えることなく筋損傷を軽減し回復を改善するために、抗酸化物質の高用量摂取を考慮すると良いでしょう。

今回の話を鑑み、プロテイン・アミノ酸以外のサプリメント導入の優先順位をつけるなら

  1. クレアチン
  2. オメガ3
  3. マルチビタミン・ミネラル(亜鉛>ビタミンE>ビタミンD>ビタミンC)

こんな感じかなと思います。

ホスファチジン酸や生理活性化合物(ポリフェノール、プロバイオティクス、硝酸塩など)については、さらなる研究が必要です。

基本的に、茶色い炭水化物/肉・魚/卵・大豆/野菜/海藻/果物、これらを朝昼晩食べることを第一優先に。

次に、プロテインか必須アミノ酸を間食で。

さらにプラスアルファで取り入れたい場合、最後に、クレアチン、オメガ3を検討する。

これが筋肥大のための栄養のシンプルな回答となります。

この時点で、費用的にはだいぶ投資しているので、よっぽどお金が余っているとか、アスリートとして振り切りる人が、その他のサプリメントを考えると良いでしょう。

その際は、マルチビタミン・ミネラル、ホスファチジン酸が候補に挙がるでしょう。


動画:タンパク質以外の筋肥大サプリメント

参考文献

タンパク質以外:レジスタンストレーニングに対する骨格筋成長反応を最適化するための栄養補助食品:知識の現状レビュー

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC11057611/

ビタミンCとEの補給は、ヒトの持久力トレーニングへの細胞適応を妨げる:二重盲検、無作為化、対照試験

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4001759/

ビタミンCとEの補給と組み合わせた筋力トレーニングが骨格筋量と筋力に及ぼす影響:系統的レビューとメタ分析

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6973181/

複合抵抗運動トレーニングとビタミンD3補給が高齢者の筋骨格の健康と機能に及ぼす影響:系統的レビューとメタアナリシス

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5541589/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34682481/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33183532/

サルコペニアにおけるビタミンE:予防と治療におけるその役割に関する現在の証拠

https://www.researchgate.net/publication/263849976_Vitamin_E_in_Sarcopenia_Current_Evidences_on_Its_Role_in_Prevention_and_Treatment

ホスファチジン酸がパフォーマンスと体組成に及ぼす影響 – スコーピングレビュー

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34706625/

抵抗訓練を受けた男性の強さ、体組成、筋持久力、パワー、敏捷性、垂直ジャンプに対するホスファチジン酸補給の効果

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4891923/

抵抗訓練を受けた男性の筋肉の厚さと強度に対するホスファチジン酸補給の影響

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28177725/

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