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  • 2024.05.07

熱中症対策 予防と症状

5月になったばかりですが、気温もだいぶ上がってきました。GW中暑かったですね。そろそろ熱中症に気をつける時期です。

熱に体が順応していない時期に熱中症・脱水症状の発生が急激にあがります。

先日、熱中症についてYouTubeにて動画を投稿しました。熱中症について予防・症状・応急処置

今回は、熱中症の予防アプローチについていくつか紹介します。

◆熱中症を疑うケース

熱中症にはグレードがあります。

I度:軽症

・立ちくらみ(脳への血流が瞬間的に不十分になったことで生じる)

・筋肉痛、筋肉の硬直(発汗に伴う塩分の不足で生じるこむら返り)

・大量の発汗

これらが症状として現れます。

よく夏の甲子園などを観ていると、足が攣って治療をするケースを何度も見かけます。

足が攣ることをキン痙攣と言います。

体内のミネラルが汗で出ていって、その補充が追いついていない状態です。

この段階で運動を中止するべきです。

後に解説する応急処置をしてください。

Ⅱ度:中等症

・頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感

これらの症状が出ると、基本的には立っていられません。

ぐったりという感じになるので、病院に搬送して治療を受けるべきです。(点滴による水分とミネラルの補充および冷却)

夏場での外でのアクテビティや部活動などでここまでの症状になると、明らかに監督者の責任です。

Ⅲ度:重症

・意識障害、けいれん、手足の運動障害

・高体温(体に触ると熱い。いわゆる熱射病、重度の日射病)

これらの症状は命に関わる状態で、入院して集中治療が必要になります。

涼しいところで安静にさせておけば、というレベルではありません。

救急車を呼んでください。

以上が熱中症のグレードと症状です。

◆応急処置

熱中症が疑われる場合は、次のような応急処置を行いましょう。

1. 涼しい環境に移す

風通しの良い日陰や、クーラーが効いている室内に移動しましょう。

2. 脱衣と冷却

衣類を脱がせて、体内の熱を外に出します。

さらに、露出させた皮膚に水をかけ、うちわや扇風機などで仰いだり、

氷嚢で首やわきの下、太ももの付け根を冷やし、体温を下げます。

3. 水分と塩分を補給する

冷たい水、特に塩分も同時に補える経口補水液やスポーツ飲料などを飲ませましょう。

ただし、意識障害がある場合は水分が気道に流れ込む可能性があります。
また、吐き気や嘔吐の症状がある場合には、すでに胃腸の動きが鈍っていると考えられるので、口から水分を入れることは避けましょう。

こういった自力で水分を摂れない場合は重症ですので、救急車を呼んでください。

熱中症は処置を怠ったり、対応が遅くなったりすると、神経障害、肝臓・腎臓の損傷、血液凝固不全、筋肉系、心血管系など、生命を脅かす状態に至ります。

◆注意すべき人

熱中症になりやすい人がいます。

自身の体調に加えて、なりやすい人を注意深く観察し、対応してあげることが必要です。

・乳幼児

乳幼児は体温のコントロールがうまくできません。

そのため、外出時には水分補給や服装に気をつけてあげましょう。

顔が赤くなっていたり、汗をたくさんかいているときには、すぐに涼しい場所に移動をしてください。

・高齢者

年をとると体内の水分割合が少なくなります。

さらに高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくくなります。

そのため高齢者は熱中症になりやすいです。

加えて、心機能や腎機能が低下していると、熱中症になった時の症状が重くなりやすいという傾向にあります。

・選手/生徒の立場

指導者と生徒という関係性だと、どうしても生徒側から意見をしにくくなります。

レギュラー争いや、もっと上手くなりたいという気持ちから、しんどさを我慢する傾向にもあります。

指導者側が、逐一体調を伺ったり、生徒側からの意見も言いやすい関係性の構築を普段から行なっておくことが、指導者としては当然の責務といえます。

・寝不足/お酒

寝不足やお酒などで体調が悪かったりすると体温調節機能が弱っているので熱中症になりやすいです。

◆熱中症予防のための対策

最後に、現場で出来る予防方法をいくつか紹介します。

・運動中に1時間あたり400〜800mlの水分摂取。

・喉が渇いていなくても、いつでも任意のタイミングで水分摂取できるようセットしておく。

・水ではなく、スポーツドリンクや経口補水液で水分摂取をする。

・暑さを凌げる場所を用意しておく。(テントやタープなど:出来れば遮光性)

・体を冷やせるように氷と氷嚢を用意しておく。

・気温25度以上で、いつでも熱中症は発生すると念頭に入れておく。

・気温28度以上で、少なくとも30分ごとに休憩。

・気温31度以上で、10から15分おきに休憩。

・気温34度を超えたら運動は中止。

以上が、現場で出来る最低限の対策です。

日本の夏、特に7・8月あたりは35度を超える日も当たり前になってきました。

天気予報などで目にする”気温”の測り方はご存知でしょうか?

風通しの良い、芝生の1.5メートルの位置で測定されています。

つまり、グラウンドやアスファルトなどでは地面からの熱反射により、体が受ける気温はもっと高く、

子供なら全身、大人でも胸の辺りまでは、表示されている気温よりももっと高い温度を浴びていることになります。

こちらの研究では、校庭が土ではなく芝生になると周辺の空気温度が2から3度低下するという結果が得られています。

なので、気温が30度を超える日の活動は、10分おきくらいに休憩するのが必要で、

気温34度は実質風呂にずっと入っているのと同じくらいの温度を浴びているといえます。(アスファルトならもっと高い)

運動中止にする意味は分かりますよね?

◆まとめ

5月から10月くらいまでは熱中症が起こりやすい季節です。可能な限り予防に努め、症状を理解し、万が一熱中症の疑いが発生したら応急処置をしてください。

最悪は臓器に後遺症が残ったり、命にも関わります。特に小さい子供、部活動をしている子、高齢者は周りの人が注意してみてあげてください。もちろんご自身がならないようにも気をつけましょう。

気温が35度以上なら、外出は食糧調達くらいにして、基本は外に出ないようにしましょう。


参考文献

熱射病および熱疲労患者の転帰に関する系統的レビュー

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10522494/

スポーツのための実用的な水分補給ソリューション

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6682880/

持久力運動中の水分補給:課題、研究、オプション、方法

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8001428/

全日本病院協会:みんなの医療ガイド:熱中症

https://www.ajha.or.jp/guide/23.html

熱中症予防運動指針

https://www.netsuzero.jp/learning/le11

気温の計測について:気象庁

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq11.html#:~:text=気温の観測は、風通し,に格納しています%E3%80%82

地表面の芝生化による夏季熱環境の緩和効果に関する検討

https://www.taisei.co.jp/giken/report/01_2005_38/paper/A038_013.pdf

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