BLOG

  • 2023.06.19

「運動」を「全ての身体活動」と考える

健康の為に「運動をしましょう」とよく言われるシチュエーションがあります。

運動をスポーツの事だと考えてしまう

多くの人は「運動」と聞くと、ウォーキングや走ること、筋トレ、テニスやフットサルや登山などのスポーツをすることを連想すると思います。これらは、改めてまとまった時間を確保する必要があったり、一時的に苦しい思いをする、場合によっては装備を整えるための出費も伴うことになると連想するでしょう。

こうしたスポーツの事だと考えると、週3~5回、1時間程度のまとまった時間を割かなければならない。そんな時間は取れないと多くの人が考える事でしょう。それもあってか、日本人のフィットネス参加率はいつも4%程度なのです。(ちなみに米英は15%前後)

運動をこのように捉えると、運動に取り組むのにはいくつかのハードルがあると考えるので結果的に運動に取り組まなくなります。

運動を身体活動全てと考えてみる

一方で、運動は「身体が動くこと全て」と捉えるとどうでしょうか。全ての身体活動という事です。

広義の意味での運動は、物体が動くことや、物が動くこととなります。つまり物体を人間の腕・脚・胴体と考えると、日常生活も何かしらの動きがあれば運動していることになるのです。

自宅から駅まで歩く、駅の階段を昇ってオフィスまで歩く、こうした一連の生活でヒトの身体は運動していると言えます。

また、風呂掃除や洗濯ものを干したり、休日買い物に出かけて意外と沢山の歩数を歩いたり、ディズニーランドやUSJで遊んだり、これからの時期は大掃除をしたり、こうした生活の様子も身体活動が伴っているので運動したことになります。

こうした機会をたくさん作る事が出来れば、改めて前述のスポーツに取り組む必要はゼロになるとは言いませんが、時々やる程度でも運動不足にはならないでしょう。

現代は便利すぎる

古いもので言えばエスカレーターやエレベーター、比較的最近ではUber Eats、ドラム式洗濯機など、利便性と引き換えに人間の身体活動を少なくするサービスが発明されており、この流れはこの先ずっと続くでしょう。

身体活動を発生させる筋肉はホルモンを分泌したり、糖質や脂質を代謝したりする場所でもあり、内臓と同等の重要性を持ちます。しかし、人々は健康診断などで臓器に異常が見つかると不安になりますが、身体活動不足で年々減る筋肉に対しては無頓着なパターンが多いです。

現代人の仕事が一次産業からオートメーション化されコンピューターで管理するだけの仕事に置き換わったのもありますが、加えて身体活動が不要なサービスが増加したことで、筋肉量や体力レベルの低下が加速され、これが病気(特に生活習慣病)に繋がっています。

非効率が結構大切だったりする

スーパー・デパートや駅で階段を使うのとエスカレーターやエレベーターを使うのとではどのくらい時間が違うのでしょうか?せいぜい数秒~30秒とかそんなものだと思います。シチュエーションによって(通勤ラッシュ時のエスカレーター待ち、休日デパートのエレベーター待ちなど)は、階段を使った方が早く頂上に辿り着けます。

洗濯物を干す作業は5~10分くらいです。ハンガーを物干し竿に掛ける作業は肩周りの運動に関わりますが、これが無ければ人はいつ肩を動かすのでしょうか?風呂で髪を洗う時くらいです。肩を使わないから肩こりが発生します。

Uber Eatsで割高のご飯を(しかもラインナップは限られる)食べるくらいなら、歩いて飲食店に向かいましょう。それだけで往復10~30分くらいにはなるはずです。食べたものをその場で消費出来ます。

こうした便利サービスを利用する事で生まれる1日の浮いた時間は実はそんなに大した量ではありません。よく累計では凄い時間になると言われますが、結局一気にまとまった時間を確保しないと人は何か生産的なことに充てる事はしません。断続的かつ短時間では集中力を高めることが出来ないからです。せいぜいネット記事やSNS・YouTubeを見るくらいでしょう。

歩いたり、階段を昇ったり、洗濯物を干したり、ロボットを使わず掃除をしたり、あえてちょっと非効率な事をすると『ながら運動』になります。ながら運動だけでもざっと1日10~15分くらいは確保できると思います。

1日30分運動しなさいとよく言われますが、ながら運動を加味すれば15分程度ウォーキングなどの時間を設ければ概ね達成できます。1日15分の運動が確保出来ればいいと考えれば気持ち的にはかなり楽になりますよね。これで運動不足はかなり解消できるはずです。

まとめ

私がお客様にアドバイスする際には、このように生活の中で身体活動が起こるように促すこともします。筋トレや有酸素運動の指導だけではないのです。

いかに運動参加へのハードルを下げるか、継続しやすい環境を作ったり、運動しても良いかなと思える考え方を身に付けることが非常に重要です。

「運動」をまとまった時間のスポーツと考えずに、全ての身体活動と考えて気楽に運動に取り組んでみてはいかがでしょうか。


関連

ブログ目次

☆★☆★☆

パーソナルトレーナー 井上大輔

パーソナルジムIGF 日本橋駅徒歩1分

パーソナルトレーニングをご希望の方→カウンセリングはコチラ

IGFは日本橋で創業し6年の完全個室予約制のパーソナルジムです

お身体、運動、食事のお悩み、お気軽にご相談ください