【最新科学】筋トレは「全可動域」が正解?筋肥大を最大化するフォームの真実
皆さんはトレーニング中、こんな疑問を持ったことはありませんか?
「スクワットはどこまでしゃがめばいいの?」 「アームカールは腕を完全に伸ばし切るべき?」
いわゆる「可動域(ROM)」の問題です。 実は近年のスポーツ科学の研究で、筋肉を効率よく大きくするための「最も重要な可動域」が明らかになってきています。
今日は、頑張っているのに中々身体が変わらないという方に向けて、科学的根拠に基づいた「効くフォーム」の秘訣をお伝えします。
「フルレンジ」vs「パーシャル(部分的)」論争の結論
長年、トレーニング界では「可動域を大きくとる(フルレンジ)」ことが正義だとされてきました。逆に、可動域が狭いトレーニングは「手抜き」だと言われることもありました。
しかし、2022年に発表されたPedrosaらによる画期的な研究が、この常識に新たな視点を加えています。
この研究では、脚のトレーニング(レッグエクステンション)を以下の3つのグループに分けて行わせ、筋肥大の効果を比較しました。
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フルレンジ群:最初から最後まで大きく動かす
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短縮ポジション群:筋肉が縮まる局面だけ動かす(上半分)
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伸長ポジション群:筋肉が伸びる局面だけ動かす(下半分)
皆さんは、どれが一番筋肉がついたと思いますか? 常識的に考えれば「1. フルレンジ」ですよね。
しかし、結果は驚くべきものでした。
筋肉が引き伸ばされる時、成長のスイッチが入る
研究の結果、「3. 伸長ポジション群(筋肉が伸びている位置でのトレーニング)」が、他のグループよりも有意に筋肥大したというデータが出たのです。
これは「ストレッチ・メディエイテッド・ハイパートロフィー(伸長刺激による筋肥大)」と呼ばれる現象に関連しています。 筋肉は、重りによって強制的に「引き伸ばされた状態」で負荷がかかると、化学反応が起き、通常よりも強く成長シグナルを出すことが分かってきました。
つまり、単に可動域を広くすれば良いわけではなく、「筋肉がストレッチされる局面」を丁寧に行うことこそが、ボディメイクの最短ルートなのです。
明日からのトレーニングで意識すべきこと
この科学的発見を、明日からのジムワークにどう活かせばいいのでしょうか? 重要なポイントは2つです。
1. 「下ろす」動作を丁寧に行う
例えばベンチプレスやダンベルプレスなら、重りを持ち上げる時よりも、胸を開いて重りを下ろしていく局面が重要です。ここで力を抜かず、胸の筋肉がグーッと引き伸ばされるのを感じてください。
2. 可動域の「奥」で一瞬止めるイメージを持つ
スクワットであれば、しゃがみ込んだ一番深い位置。ここでバウンドせずに、筋肉の張りを感じながら切り返すことで、筋肥大効果を最大化できます。
自己流フォームの落とし穴
理論はシンプルですが、実践するのは意外と難しいものです。
なぜなら、筋肉が一番伸びるポジションというのは、関節への負担も大きく、また「一番力が入りにくい(キツイ)場所」だからです。 そのため、人間は無意識のうちにこの「一番おいしいけれど一番キツイ局面」を避けて、楽な可動域だけで運動してしまいがちです。
これでは、せっかくの努力が半減してしまいます。
あなたのフォーム、プロが見直します
「自分では深くしゃがんでいるつもりなんだけど…」 「胸に効かせたいのに、肩ばかり疲れてしまう」
そう感じる方は、一度プロの目によるフォームチェックを受けてみることをお勧めします。
当ジムでは、解剖学に基づいた視点で、あなたの骨格や柔軟性に合わせた「最も効率的な可動域」をご提案しています。 怪我のリスクを抑えつつ、最短で理想の身体に近づくための微調整こそが、パーソナルトレーニングの醍醐味です。
もし現在のトレーニングに行き詰まりを感じているなら、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。 あなたの「伸びしろ」を一緒に見つけましょう。
参考文献
Pedrosa, G. F., Lima, F. V., Schoenfeld, B. J., Lacerda, L. T., Simões, M. G., Pereira, M. R., … & Chagas, M. H. (2022). Partial range of motion training elicits favorable improvements in muscular adaptations when carried out at long muscle lengths. European Journal of Sport Science, 22(8), 1250-1260.https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1080/17461391.2021.1927199
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パーソナルトレーナー 井上大輔
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