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  • 2025.08.18

クレアチンのちょっとニッチな分野への効果について

今回は、よりニッチなクレアチンの効果についてもいくつか調べてみたのでそのまとめといった内容です。

トピックは、女性の健康、脱毛、高齢者、小児です。

これらに対してのクレアチンの効果や安全性をまとめて簡単にレビューしたいと思います。

女性の健康とクレアチン

女性におけるクレアチン補給は、筋肉の成長を超えた潜在的な利益、特に生殖健康、認知健康、老化に関する関心を集めています。

女性は男性と異なる生理学的特徴を示し、閉経前、妊娠、閉経期のホルモン変動が影響を与えます。

これらの要因は、クレアチン代謝に影響を及ぼすため考慮する必要があります。

女性におけるクレアチンの効果を評価する文献を確認してみます。

最近の研究では、クレアチン補給は女性においても、特に筋力トレーニングと組み合わせることで、筋力、運動パフォーマンス、体組成に肯定的な効果を示しています。

これはすでに周知の事実かと思います。

さらに、クレアチンは認知および気分の改善を提供し、うつ病の症状を軽減し、脳機能を向上させる可能性があり、どの段階のライフステージの女性にとっても重要なポイントです。

クレアチンが正常な妊娠に必須の条件付き栄養素とみなされるべきかどうかは、現在調査中です。

国民健康栄養調査の評価では、1日あたり体重1kg当たり13mg以上のクレアチンを摂取した女性は、13mg未満を摂取した女性に比べて産科疾患のリスクが低いことがわかりました。

妊娠中の子宮内膜、子宮筋層、および胎盤がクレアチンを合成し、発育中の胎児へのクレアチン供給や妊娠期間中の母体血漿クレアチン濃度の安定性に大きく貢献していることが理解されています。

これらのデータは、妊娠中のエネルギー生成におけるクレアチンの重要性を強調しています。

全体として、長期の出生前クレアチン補給が子宮内大脳発達に及ぼす影響は最小限であり、子孫の認知行動に有意な障害を引き起こしません。

クレアチンは胎児の障害に対する有効な治療法として引き続き有望であり、現在、潜在的なランダム化比較臨床試験をするための投与量と忍容性の臨床データが収集されています。

妊娠中にサプリメントからクレアチンを摂取することの影響は不明ですが、それ以外の若年層から高齢層まで幅広く健康に役立つ成分であると言えます。

具体的には、筋肉、骨、疲労、メンタル、認知機能などへの好影響があります。

脱毛とクレアチン

クレアチンを飲むと禿げるという都市伝説があります。

これが本当なら、私は将来ハゲになるので悲しい限りですが、これが本当か確認します。

健康な若い男性における12週間のクレアチン補給がアンドロゲンレベルと毛包の健康に及ぼす影響を調べた研究があります。

このランダム化比較試験では、45名を対象に筋トレに加えて1日5グラムのクレアチンかプラセボの摂取がされました。

結果として、ホルモンや毛髪関連について有意な差は観察されませんでした。

この結果は、クレアチンが脱毛に寄与するという主張に対する強い反証を提供します。

注視したいのは、研究期間はわずか12週間で、長期および高用量のクレアチン研究がアンドロゲンと髪を変える可能性があることです。

しかし、選択された1日5グラムの用量は一般的に摂取される量であり、心配な点は長期の摂取についてのみです。

抜け毛のある父親を持つ男性は、抜け毛を経験していない父親を持つ男性よりもハゲる可能性が2倍高かったとする研究があり、将来の研究で家族歴を監視することの重要性を強調しています。

以上のことから、クレアチンで将来ハゲに寄与する可能性はかなり低いと考えられます。

高齢者とクレアチン

加齢の生物学的プロセスは、きん骨格系や神経系の機能低下と関連しています。

高齢者もクレアチンの恩恵を受けられるなら、摂取した方が健康寿命の延伸につながる可能性があります。

高齢者におけるクレアチンの有効性について紹介している文献ではクレアチンは主にトレーニングと組み合わせることで、安全で、全身の筋肉量、筋力、骨の健康、機能的能力、血糖値、認知・記憶に有益な効果があることが示されています。

したがって、クレアチンは高齢者に利益をもたらし、加齢に伴うサルコペニア、骨粗鬆症、虚弱、代謝、神経きん疾患の治療に応用できる可能性があります。

食事内容にもよりますが、成人と同じように1日3グラム程度の摂取は問題なく使えそうです。

(例:5〜7日間0.3グラム/kg/日、その後0.05〜0.15グラム/kg/日がクレアチンレベルを増加させるとしている)

小児とクレアチン

成人集団におけるクレアチンの有効性と安全性を支持する強い証拠がある一方で、同様の生理学的利点が小児および青年集団、特に高強度トレーニングに定期的に参加する青年集団に及ぶかどうかについては、ほとんど知られていません。

ということで、小児および青年におけるクレアチン使用の安全性やメリットをまとめたエビデンスを紹介します。

米国FDAの有害事象報告データベース(2018~2020年)によると、クレアチンに関連する有害事象は全体の0.144%(15,274件中22件)にとどまり、FDAはクレアチンを「一般に安全と認められる」に指定しています。

一方、2019年のSimpsonシンプソンらの研究では、青年サッカー選手を対象に8週間のクレアチン補給を行い、気道炎症や呼吸機能にわずかな影響が観察されました。(呼気一酸化窒素の増加や強制呼気量の減少傾向)

特にアレルギーを持つ選手で影響が懸念されるため、この点についてはさらなる研究が必要です。

青年≒高校生以上に対してはクレアチンはおそらく安全に利用できるものです。

一方で、小児や子供に対しての安全性は研究すらされていないので、クレアチンの使用は控えておく方が賢明でしょう。

そもそも小学生以下にクレアチンが必要かも微妙なところです。

この時期は筋肉の発達はあまりなく、神経系の発達なので、様々な動き・スポーツを楽しくやらせるのが成長曲線的に適しています。

この時期は筋肉というより技能が伸びるということです。

体も小さいですし、肉や魚からのクレアチン摂取で十分かと思います。

過去の子供達のほとんどがクレアチンを摂取せずに健康に生きてこられているというのもあります。

◆まとめ

ということでちょっとニッチなクレアチンの効果を紹介しました。

まとめると

  • 女性は妊娠期のクレアチン摂取の健康への影響は不明。それ以外は様々なメリットがある。
  • クレアチンを飲んでもハゲることはおそらく無い。
  • 高齢者もクレアチンを飲んだ方が健康上良い。
  • 小児や小学生の健康上の影響は不明。青年以上のアスリートは利用すると良い。

といった感じです。

エビデンスが不明な部分はとりあえず控えておく方が賢明です。


参考文献

女性の健康におけるクレアチン:月経から妊娠、更年期障害までのギャップを埋める

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/15502783.2025.2502094?src=most-read-trending

クレアチンの食事摂取と女性のリプロダクティブヘルスとの関連:NHANES 2017-2020からの証拠

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11266896/

クレアチンは脱毛の原因ですか?12週間の無作為化比較試験

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/15502783.2025.2495229?src=most-read-last-year

家族歴と脱毛のリスク

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15237265/

高齢者と臨床集団のためのクレアチン

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/15502783.2025.2534130?src=most-read-trending

若いアスリートにおける栄養戦略、生理活性化合物、栄養補助食品の使用:証拠から潜在的なリスクまで-ナラティブレビュー

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12251387/

小児および青年におけるクレアチン補給

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7922146/

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