2023.08.11

児童・青少年に対する体力と運動能力へのテレビゲームの効果

アクティブ・ビデオ・ゲーム（以下、ゲーム）は、体格やパフォーマンスの低さ、運動スキルの低さなどが原因で、スポーツにあまり興味を示さない人（若いかどうかにかかわらず）のモチベーションを高めることを目的とした優れた代替手段として提案されています。

科学的文献によると、ゲームはエネルギー消費量を増加させ、軽度から中等度の運動量を促進することによって、座りがちな行動を代替する可能性が示されています。ゲームが体組成、心肺機能（CRF）、運動能力に及ぼす効果を報告した研究もありますが、ゲームが健康関連の体力に及ぼす効果については、現在および将来の健康にとって重要であるため、さらなる調査が必要です。

したがって、ゲームが健康的な体重の子供や青少年の健康を改善し、より健康的なライフスタイルを促進する可能性を確認することが必要です。また、ゲームが更新され、より多くの可能性が提供され、ゲームを通した運動セッションにおける身体的要求が増加しているため、このエビデンスの更新が必要です。

そのため、このシステマティックレビューは、得られたデータから現在の研究結果を特定し、批判的に評価し、メタ分析で発表された研究結果をプールすることを目的としています。これにより、健康的な体重の小児および青少年におけるゲームの健康関連体力および運動能力への効果について明確な答えを提供することができます。

方法：アクティブビデオゲームプログラムの健康関連体力および運動能力への効果を調査した無作為化および非無作為化対照試験を対象とした。バイアスのリスクを測定するために、2つの異なる質評価ツールを用いた。20の論文が組み入れ基準を満たし、対象変数は体格指数（BMI）、体脂肪、心肺フィットネス（CRF）、筋フィットネス、運動能力であった。

結果：ゲーム介入は、18週間以上継続する場合、BMIにおいて有益であり、CRFにおいて有益であるようである。ゲームは筋力と運動能力を向上させる有望な手段と思われるが、エビデンスが不足しているため、その効果はまだ不明である。

結論：ゲームは、健康体重の小児および青少年における健康関連体力および運動能力のいくつかの構成要素を改善するための有効な手段であるようであるが、いくつかの体力構成要素に対する効果についてはさらなる研究が必要である。従って、ゲームは健康増進のための戦略として含まれる可能性がある。

まとめ

この研究での限界点は、テレビゲームのタイトルが多様であるため、全てのゲームで同様の結果が得られるわけではないという点です。また、各研究で運動のプログラム・頻度などが異なる点にも注意が必要です。

しかし、BMIや心肺機能に対して有効であるのは間違いないことが分かります。今後は筋力や運動能力に与える影響への調査が期待されるところです。

アクティブビデオゲームは、BMIおよび体脂肪率をコントロールし、心肺機能を向上させるための良い戦略である可能性があります。健康的な体重の小児および青年は、運動能力と筋力を向上させるためにAVGの恩恵を受ける可能性があるが、その効果はまだ不明であるため、これらの結果を確認するためにはさらなる研究が必要です。

結論として、ゲームは健康関連体力のいくつかの要素を向上させる効果的なツールであり、健康的な体重の小児や青少年における運動能力の向上にも有望なツールであるようです。ゲームは、小児期の健康状態を向上させるための、従来の運動の補完的な代替手段として考えることもできます。もちろん、大人にも有効であると言えます。

参考文献

The Effects of Active Video Games on Health-Related Physical Fitness and Motor Competence in Children and Adolescents with Healthy Weight: A Systematic Review and Meta-Analysis