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  • 2025.11.26

朝ごはんが筋肥大には大事

筋量の減少は糖尿病、メタボリックシンドローム、サルコペニアなどと関連があるため、若年期からの筋肥大は臨床的に重要です。

レジスタンストレーニングは筋タンパク質合成を刺激し筋肥大を促す強力な手段です。筋肉を増やすためには1日総タンパク質摂取量は筋量維持の鍵とされています。

多くの場合、目標にするのは体重×2グラムです。この総摂取量の達成は、食欲旺盛な若年者であれば比較的できるのですが、現場で指導していると、中高年以降はある問題により達成がなかなか難しくなってきます。

それは、朝食での摂取が最も少なく、夕食に偏る傾向にある。ということです。

皆さんの食事も思い出して欲しいのですが、朝は出勤前で忙しいため食事量が最も少なく、夜帰宅してから、あるいは仕事終わりの外食で、しっかりとした量の食事を摂っている傾向があるのではないかと思います。

全体を通してみると、朝食が少ないが故に体重かける2グラムの達成が難しくなるわけです。

今回は、筋肥大をより効率的に進めるために、あるいは中年以降になっても筋肉量を維持しやすくするために、食事で気をつけるべきことをお伝えします。

1食に必要なタンパク質

若年者も中高年以降も、この偏ったパターンは筋肉量低下と関連するとの報告があります。

若い日本人を対象としたこの横断研究では、

総タンパク質摂取量が1日の推奨量に達しても、3食(朝食、昼食、夕食)のタンパク質摂取量が充分でない場合、筋肉量に悪影響を及ぼす可能性がある。

したがって、各食事、特に朝食のタンパク質摂取は、筋肉量の調節に重点を置く必要がある。

としています。

また、モアらは、若年男性が筋タンパク質合成を最大化するには1食・体重1キロあたり0.24グラム以上のタンパク質が必要と示しています。体重60kgなら14.4グラム必要です。

ちなみに健常高齢男性は低用量のタンパク質に対して感受性が低く、筋タンパク質合成を最大に刺激するためには、若年男性よりも1食あたり相対的に多くのタンパク質摂取を必要とすることも述べられています。

高齢者は、1食・体重1キロあたり0.4グラム必要です。体重60kgなら24グラムです。

若年者と高齢者の間をとって、40歳前後の人であれば、1食・体重1キロあたり0.32グラムあたりが最適解になると思います。60キロの人なら19.2グラムです。

しかし一般的な朝食では、この目安を下回ることが多いです。

これは肉80〜100グラムに相当します。

現場でヒアリングしても、平日朝から肉を調理して食べる人は案外少なく、パン、おにぎり、サンドイッチとコーヒーみたいな組み合わせが多いです。

こういった食事だとタンパク質10グラムあるかないか程度になるので、筋肉量の維持が難しくなります。

タンパク質比率を変えた研究

健康な若年男性26名を対象とした12週間の並行群間ランダム化比較試験があります。

1日の総タンパク摂取量を体重×1.3グラムに揃え、朝食で26%を食べさせるグループ(朝食群)と、8.5%を食べさせるグループ(夕食群)に分け、両群とも週3回の監督下でのレジスタンストレーニング、10RMを3セットを並行して行いました。

その結果、12週間後、両群とも除脂肪量は有意に増加しましたが、朝食群の増加量(2.5±0.3 kg)は夕食群(1.8±0.3 kg)よりも大きい傾向にありました。

1日総量がほぼ同じでも、朝食で筋肉合成をしっかり刺激できるかどうかが長期的な肥大に影響します。

この研究から、朝食タンパク質不足は「1日の中で筋肉合成率が充分に立ち上がらない時間帯を作り、24時間トータルの筋タンパク合成量を損なうことがわかります。

たった12週間で結構な差が開きます。

まとめると、朝食で充分なタンパク質摂取を確保し、3食を均等に近づけることで、レジスタンストレーニングによる筋肥大がより強く誘発されることが示されました。

レジスタンストレーニングで筋肉量を最大化したい場合、1日総タンパク質量だけでなく、各食、特に朝食でのタンパク質摂取量を意識することが重要です。

なので、もしプロテインを飲むなら朝飲んだ方が良いです。

また、朝食ではパンやコメよりも、何かしらの動物性タンパク質をまず優先するようにしましょう。

ゆで卵、ヨーグルト、チキンの入ったサンドイッチなど、意識すればバリエーションはいくつもあります。

まとめ

総タンパク質量も大事ですが、より正確に言うと、高いレベルのアミノ酸供給を常に維持するために、均等に充分な量のタンパク質を補給することが大事です。

研究で示されるように、朝食がヘコむだけで筋肉はつきにくくなり、将来的にも筋肉量の維持が難しくなります。

現代のライフスタイルは朝食が少ない傾向なので注意が必要です。

そして、歳をとるほどタンパク質を食べるのが胃袋的にしんどくなりますが、生理学的な要求量は増えます。

歳をとるほど筋肉量がなくなるスピードが早くなるので、埋め合わせるためのタンパク質がたくさん必要になるからです。

たくさんのクライアントを見てきた経験から、60歳でタンパク質25グラム以上の朝食は結構大変そうだなって印象を持っています。

40代50代のうちから、このあたりを意識して朝食を構成しておくことが大事かなと思います。

とくに夜ご飯をドカッと食べると、翌朝の食事量に影響するので、夜ご飯は早めの時間に適度に済ませるというライフスタイルの確立も筋肉量に関わってくると言えるでしょう。

  • タンパク質は朝昼晩均等に、特に朝を意識。
  • 朝食の目安は、1食・体重1キロあたり若年者0.24、中年0.32、高齢者0.4グラム

この2点を意識して食事構成・配分の見直しをしていただければ、筋肉量を維持増加させやすくなります。

最初からプロテインを考えるよりも、まずは様々な栄養が摂れる・食事からの幸福も得るために、食材から摂る方法を考えていきましょう。

そのために早寝早起きに挑戦し、どうしてもダメならプロテインを活用しましょう。


参考文献

3食に均等に分散したタンパク質摂取は、健康な若い男性の抵抗運動誘発性筋肉肥大を増加させ

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7330467/

健康な若い被験者における3食のタンパク質摂取と筋肉量との関連:横断的研究

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6471574/

筋原線維タンパク質合成を刺激するためのタンパク質摂取には、健康な高齢者と若い男性でより多くの摂取量が必要です

https://academic.oup.com/biomedgerontology/article-abstract/70/1/57/2947642?redirectedFrom=fulltext&login=false

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