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  • 2025.09.18

痩せすぎは太りすぎよりも致命的。

大規模なデンマークの研究によると、太っていることよりも痩せていることの方がマズいと言うことがわかりました。

「太っていても健康」は可能であるという新たな研究が、オーストリアのウィーンで開催される欧州糖尿病学会の年次総会(9月15~19日)で発表されました。

デンマークの数万人を対象とした研究では、BMIが過体重のカテゴリーにある人々、さらには肥満に分類される一部の人々は、

5年間の追跡期間中に、BMIが22.5から25.0、すなわち正常体重範囲の高い側である人と比べて死亡する可能性がそれほど高くないことがわかりました。

逆に、正常体重範囲の中間および下部(18.5~22.5 kg/m²)にいる人は、死亡する可能性が高く、BMI18.5未満の痩せすぎの範囲にいる人も同様でした。

「痩せすぎと肥満は世界的な健康課題です」と、研究を主導したデンマーク・オーフス大学病院のステノ糖尿病センターのグリブショルト氏は述べています。

”肥満は体の代謝を乱し、免疫系を弱め、2型糖尿病、心血管疾患、最大15種類の癌を引き起こす可能性があります。

一方、痩せすぎは栄養失調、免疫力の低下、栄養不足と関連しています。”

BMIと死亡率

死亡率が最も低いBMI範囲については、矛盾する結果があります。

かつては20~25と考えられていましたが、医療の進歩や一般的な健康状態の向上により、この範囲は上方にシフトしている可能性があります。

この問題を明確にするため、研究チームは、85,761人の健康データを使用して、BMIと死亡率の関係を調査しました。

BMIは18.5から25が一般的に正常体重とされます。

18.5未満は痩せすぎ、25から30は過体重、30以上は肥満と分類されます。

追跡期間中に7,555人(8%)が死亡しました。

分析の結果、痩せすぎのカテゴリーにいる人は、中の上(22.5~25.0 kg/m²)にいる人に比べて、死亡する可能性が約3倍(2.73倍)高いことがわかりました。

同様に、BMIが40以上=重度の肥満の人は、中の上に比べて死亡する可能性が2.1倍高かったです。

しかし、健康的とされるBMIでも死亡率が高くなることがわかりました。

BMIが18.5から20.0、すなわち健全な体重範囲の下限(中の下)にいる人は、参照集団に比べて死亡する可能性が2倍でした。

同様に、中くらいにいる人(20.0から22.5 kg/m²)は、中の上に比べて27%死亡する可能性が高かったです。

対照的に、過体重(25~30 kg/m²)および肥満範囲(30.0~35.0 kg/m²)にいる人は、参照集団と比べて死亡する可能性が高くなく、これは「代謝的に健康」または「太っていても健康」と呼ばれる現象です。

BMIが35から40.0の人は、死亡リスクが23%増加していました。

すべての結果は、性別、併存疾患のレベル、教育レベルで調整されていました。

研究者が異なる年齢、性別、教育レベルの参加者におけるBMIと肥満の関係を調べたときも、同様のパターンが得られました。

研究者たちは、BMIが35まで死亡率の上昇と関連しておらず、35から40.0でもわずかなリスク増加にとどまることに驚きました。

 

他の重要な要因には、脂肪の分布が含まれます。

内臓脂肪は、代謝の健康に悪影響を与える化合物を分泌します。

その結果、BMIが35でリンゴ型(余分な脂肪が腹部周辺にある)の人は、2型糖尿病や高血圧を抱える可能性がありますが、

同じBMIの人でも、余分な脂肪が臀部や太ももにある場合はこれらの問題がないことがあります。

肥満の治療は、脂肪の分布や2型糖尿病などの状態の存在を考慮して、目標体重を設定する際に個別化する必要があることは明らかです。

どのくらい運動すれば良いか

現在の科学で注目されているのは、肥満であることよりも運動をしているかどうか?がかなり重要なのではないかとされています。

狩猟採集➡︎稲作➡︎建築製造と、人類は最近まで体を動かしていましたが、昭和後期あたりからはデスクワーク・コンピューターが主流となり人々の身体活動量は大きく低下しました。

https://sndj-web.jp/news/002933.php

そもそも動物・ヒトの体には筋肉が備わっており、これは必要だから備わっている。

つまり筋肉は臓器であるとの考え方を持つ必要があると考えます。

それなりに身体活動があればBMIが35を超えることもなく、人々は健康的な体格になると思われます。

どのくらいの活動量が必要なのかは、歩数がもっともシンプルで分かりやすいでしょう。

厚生労働省は、1日の目標歩数を8000歩以上としています。これは最低限達成したい目標で、これ以上は増えるほど健康にとっては良いです。

15,000歩くらいまでは概ね直線的に健康効果が現れます。

さらに筋力トレーニングを週2から3回を推奨しています。

それだけ筋肉を使うことが重要ということです。

まとめ

このチャンネルをご覧のかたは筋トレに関してはクリアしている人がほとんどでしょう。

あとは1日の歩数を1週間通して平均で8000歩越えるように、できれば1万歩いけるように調整してみてください。

これを達成しているなら体重は気にしなくても良いですし、なんならBMIが22.5から30.0くらいでも何ら問題はありません。

今回は、痩せ過ぎは太り過ぎより致命的というお話でした。

健康を目指すみなさんは、体重はちょいぽちゃ、加えて運動量の確保を目指してください。

たくさん食べて、たくさん運動しよう!


参考文献

痩せすぎは太りすぎよりも致命的。

https://www.sciencedaily.com/releases/2025/09/250914205759.htm

厚生労働省:

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001171393.pdf

1960年代と比べ仕事中の活動強度は1割以上低下 過去70年間の職業上の身体活動強度を調査

https://sndj-web.jp/news/002933.php

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