BCAAの補給は骨格筋の損傷を軽減する
BCAAは筋肉を増量させるのに効果的な栄養素とされています。競技レベルに関わらず、多くのアスリートや定期的かつ適度な運動をしている人々に栄養補助食品としてよく利用されています。
運動を行うと筋肉が損傷(≒一時的な筋肉量の低下)します。もし、損傷の程度が低くなれば次回の運動でより効率的な運動が可能になったり、筋肉量低下の時間が短くなることで筋量増加に転じやすくなったり、運動を行う人にとっては大きなメリットがあります。
今回はBCAAに骨格筋の損傷を軽減する効果があるのかを再確認してみたいと思います。
結論は
BCAAの補給は、筋損傷の程度が低~中程度である限り、
- 運動誘発性筋損傷の結果に有効。
- 補給戦略は、長期間(10日以上)、1日のBCAAの大量摂取(200mg kg-1 day-1以上)を組み合わせ。
- 運動の前に摂取すると特に有効。
研究の概要は以下の通りです。
BCAAは、当初、筋肉量を増加させることが示され、また、運動による損傷に関連した構造的および代謝的変化の抑制に関与しているとされてきた。この系統的レビューでは、運動誘発性の筋損傷または筋傷害の文脈におけるBCAA補給の有益な効果に関する文献を包括的に分析する。
BCAAs補給の潜在的な有益性は、補給戦略(BCAAの量、補給の頻度と期間)および筋損傷の程度によっても分析された。レビュープロトコルはProspective Register for Systematic Reviews(登録番号CRD42017073006)に前向きに登録し、Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analysesガイドラインに従った。文献検索は、開始日から2017年8月まで、4つのオンラインデータベース(Medline、Cochrane library、Web of science、ScienceDirect)を用いて実施した。
研究論文の原著は (i)英語で書かれ、(ii)栄養戦略としてロイシン、イソロイシン、バリン混合物のみからなるBCAAの経口補給を少なくとも1回受けたヒトで行われた実験を記述し、(iii)運動による筋損傷後少なくとも1日の追跡を報告するものを、系統的レビュー分析に含めた。品質評価は、一次研究のための品質基準チェックリストを用いて独自に実施された。
筋損傷の間接的マーカーの変化を主要アウトカム指標とした。副次的なアウトカム指標は、筋損傷の間接的なマーカーの変化の程度とした。
合計で11件の研究が解析に含まれた。これらの研究の異なるアウトカムに関して、高い異質性が認められた。品質評価が6件で肯定的、3件で中立的であることを考慮すると、バイアスのリスクは中程度であった。
含まれる研究数は少ないが、BCAAの補給は、筋損傷の程度が低~中程度である限り、運動誘発性筋損傷の結果に有効であり、補給戦略は、長期間(10日以上)、1日のBCAAの大量摂取(200mg kg-1 day-1以上)を組み合わせ、損傷のある運動の前に摂取すると特に有効であった。
まとめ
筋肉痛が発生するのは出来るだけ避けたいですよね。BCAAを運動前に摂取する事で筋肉痛を軽減する事が出来るようです。1日で体重1kあたり200㎎の摂取(60㎏の人で12g)が効果的なようで、10日以上の継続的な摂取がよさそうです。
BCAAは少し高価なサプリメントですが、余裕のある人や、少しでも効率よく身体づくりをしたい人にはお勧めのサプリメントです。そこまでお金をかけたくないよという人はEAAを勧めておきます。こちらもBCAAを含んでいるので筋肥大の効果を期待できます。
参考文献
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パーソナルトレーナー 井上大輔(外科代謝栄養学会/臨床栄養代謝学会/感染症学会)
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