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  • 2023.04.29

NMNサプリメントについて


先日、お客様から「‟NMN”というサプリメントって何なんですか?」と聞かれ、そんなサプリメントが出ているのかと気になったので調べてみました。ざっと書いていきたいと思います。

はじめに結論からいうと

  • 900mg/日までのNMNの60日間の経口投与は安全であり、忍容性も良好でした。
  • NMNの補給は、6分間歩行試験、血中生体年齢、SF-36スコア(生活の質)の有意な改善で示されるように、健康な成人の身体的持久力と一般健康状態に好影響を与えました。
  • 900mg/日の経口投与は、600mg/日の投与に比べ、優れているわけではないので「600mg/日の投与」で良さそうです。

NMNはヒトの体内に入ると、補酵素NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)に変換されます。NADはビタミンの1つであるナイアシンから生体内で合成されます。

ナイアシンは、以下の食材に多く含まれます。

  • 鶏胸肉
  • カツオ
  • たらこ
  • マグロ
  • 豚レバー
  • 牛レバー
  • 鶏ささみ
  • 落花生

したがってこれらを日常的に摂取していれば、あるいは摂取するよう心がければ、あえてお金をかけてNMNサプリメントを使用する必要は無いのかなと思います。プロテインやEAA、BCAAなどもっと優先して摂るべきサプリメントもありますので、一般の人が取り入れるメリットは少ないです。

一般の人の日常生活動作を向上させる可能性はありますが、アスリートの運動パフォーマンスが向上するかは不明です。


β-ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)

枝豆、ブロッコリー、キュウリなど、ほとんどの植物に少量存在する天然物である。また、哺乳類のすべての組織に存在する内因性分子でもある。

その生物学的機能は、NMNが前駆体として機能するNAD生合成のサルベージ経路の産物であるニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NAD)を高める能力に関連している。NADは加齢とともに減少し、哺乳類の長寿や加齢に伴う健康状態に影響を与える。

しかし、NMNを用いたヒトの臨床試験は限られています。アスリートや特定の疾患がある人や年齢などが対象の試験が多く、またいずれの試験も被験者は少数です。

男女ともに健康な中年成人に対して、300~900mg/日の範囲で用量依存的に経口投与するNMNサプリメントのNAD濃度への影響、安全性と忍容性、加齢による身体的衰えや健康状態について評価するため、さらなる臨床研究が必要である。

参加者のベースライン特性

  • ボランティア84名をスクリーニングし、平均年齢49.3(SD=6.8)歳(女性59%)の健康な80名を試験に組み入れました。80名の参加者全員が試験プロトコルに違反することなく試験を完了し、2名の参加者(プラセボ群と900mg群の1名)が非絶食状態のため除外されました。
  • 80名の参加者全員が、75-125%試験投与プロトコルを遵守した。75-99%遵守者はそれぞれ7名、7名、9名、6名であり、100%遵守者はプラセボ、300mg、600mg、900mg NMN群でそれぞれ13名、13名、11名、14名で、各群20名であった。
  • 予定量を100%超えて服用した参加者はいなかった。人口統計学的変数は、プラセボ群および3つのNMN群に均等に分布していることが確認された。

血中NAD濃度

  • 血中NAD濃度は、30日目および60日目の両時点で、3つのNMN投与群すべてにおいてベースラインより統計的に有意に増加した(すべてp≦0.001)のに対し、プラセボ群では同時期に有意な変化は見られなかった。
  • プラセボと比較して、血中NAD濃度は、30日目および60日目の両時点で、3つのNMN処理グループすべてにおいて統計的に有意に増加した(すべてp<0.001)。
  • 300mgのNMN群と比較して、600mgのNMN群は、30日、60日ともに統計的に有意にNAD濃度が高かった(それぞれp<0.05、0.01)。
  • なお、600mg群と900mg群の間には、統計的な差は見られなかった。

安全性および忍容性

  • プラセボ群と比較して、NMN900mg投与時のMCHCとLDL、NMN600mg投与時の尿酸窒素の結果を除き、3つの投与群のすべてのパラメータに統計的な差はなかった(すべてp>0.05)。また、全参加者の臨床検査値には異常は観察されなかった。
  • 有害事象は 7 名で合計 9 例が報告された。プラセボ群では 5 名に 6 件、300mg 群では 2 名に 3 件の有害事象が報告された。600mg および 900mg の NMN 治療群では、有害事象は観察されなかった。
  • すべての有害事象は軽度または中等度であり、NMN治療と関連するものはなかった。試験中、バイタルサイン、身体所見、その他の観察事項に関して、臨床的に意味のある異常は認められなかった。

6分間歩行試験

  • 6分間歩行試験の歩行距離は、600mgおよび900mgのNMN治療群の参加者は、ベースラインと比較して30日および60日の両方で有意に長い距離を歩いた(すべてp<0.05)。
  • 300mg NMN群は60日目に傾向を示した(p=0.079)。
  • プラセボ群では、ベースラインと比較して歩行能力に有意な変化は見られなかった(いずれもp>0.05)。
  • プラセボと比較して、6分間歩行試験の歩行距離は、30日目、60日目ともにNMN投与3群すべてで有意に長かった(いずれもp<0.01)。
  • 600mgのNMN投与群の参加者は、30日目および60日目において、300mgのNMN投与群と比較して統計的に長い歩行距離を示した(いずれもp<0.01)。
  • 900mgと600mgのNMN投与群では、歩行距離に統計的な差はなかった(いずれもp>0.05)。

血液生物学的年齢

NMN投与群内では、血液生物学的年齢は経時的に有意に変化しなかった。プラセボ投与群内では、血液生物学的年齢はベースラインから60日目まで有意に上昇した(p=0.029)。プラセボと比較した場合、NMN投与3群におけるベースラインから60日目までの生物学的年齢の変化は、統計的に有意な差を示した(3群ともp<0.05)。

HOMA-IR指数(インスリン抵抗性の評価)

  • HOMA-IRの結果は、ベースラインと比較した場合、NMN治療は、プラセボおよび300mgのNMN治療群ではHOMA-IRを有意に変化させなかったが、600mgおよび900mgの両群ではHOMA-IRが有意に増加した。
  • 3つの治療群をプラセボと比較した場合、またはNMN治療群間で比較した場合、HOMA-IR指数に統計的有意差は見られなかった。

SF-36問診票のスコア(QOLの測定)

  • SF-36スコアは、プラセボと比較すると、60日目のNMN投与群(p<0.01)、30日目の600mgおよび900mg投与群(それぞれp<0.05および0.001)はいずれもSF-36スコアが有意に良好であることが示された。
  • SF-36スコアは、NMN投与群間で比較すると差がなかった(p>0.05)。
  • プラセボ群ではSF-36スコアに変化はなかったが、300mg群では60日目にベースラインより改善し(p = 0.003)、600mgおよび900mgのNMN投与群では30日目と60日目の両方で改善した(いずれもp < 0.015)。

結論として、

  • 血中NAD濃度は、NMN投与中に有意かつ用量依存的に上昇した。900mg/日までのNMNの60日間の経口投与は安全であり、忍容性も良好でした。
  • NMNの補給は、6分間歩行試験、血中生体年齢、SF-36スコア(生活の質)の有意な改善で示されるように、健康な成人の身体的持久力と一般健康状態に好影響を与えました。
  • 900mg/日の経口投与は、600mg/日の投与に比べ、有意に優れた効果を与えることはありませんでした。

定期的な中程度強度の運動を行いながら、タンパク質を豊富に含む食材(魚や鶏肉)を摂取するよう心がけましょう。


参考文献

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パーソナルトレーナー 井上大輔外科代謝栄養学会/臨床栄養代謝学会/感染症学会

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