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2022.10.27

在宅ワーク&出社:身体活動と健康維持のための機会と課題

ハイブリッドワークは、一般的に従来のオフィスと自宅での仕事を組み合わせたものと考えられており、新しい現象ではありません。 COVID-19以前の10年間は、リモートワークを可能にするテクノロジーがあったにもかかわらず、このワークモデルの使用は比較的まれで、米国では労働者の約15%でした。日本ではもっと少なかったと思われます。 しかし、COVID-19大流行が変化を促し、今ではハイブリッドワークが多くの人にとって一般的な方法となりました。オーストラリアでは、2020年3月のCOVID-19規制前(24%)と比較して、2022年4月には週に1、2回在宅勤務する人が約2倍に増えました。 ...

2022.10.25

ウェアラブルデバイスは肥満の改善に有効

ウェアラブルデバイスとは腕時計型の活動量計です。代表的なのはfitbitやApple Watchでしょうか。 古典的なのは万歩計や加速度計(活動量計)です。 こういった一般向けの機器を使用することは肥満の改善に役立つのかをみていきたいと思います。 目的:太りすぎ/肥満および慢性合併症を有する個人の体重および体格指数(BMI)の減少について,健康ウェアラブルを用いた身体活動(PA)促進介入戦略の相互およびコントロールに対する比較効果を分析する。 デザイン:系統的レビューおよびネットワークメタ解析 6つの異なる介入戦略(比較対象)の効果を直接・間接的に比較した。6...

2022.10.19

女子サッカーにおける傷害発生率

その年の“世界最高のフットボーラー”に贈られる、バロンドールの授賞式が現地10月17日にパリで開催されました。 男子はレアル・マドリーに所属するフランス代表FWカリム・ベンゼマが34歳にして初受賞を果たしました。 女子はバルセロナのアレクシア・プテジャスが、2年連続となる女子バロンドールを受賞しました。 世界で3億人くらいのプレイ人口を誇るサッカーですが、スポーツですから怪我はつきものです。特に女子は男子に比べ傷害発生が多くなる傾向にあります。 今回は、女子サッカー選手における傷害発生率を見ていきたいと思います。 目的:18歳以上、女子サッカー(アマチュアクラブ、エリ...

2022.10.13

脊椎すべり症/分離症のための体幹トレーニング

今回は沢山の人が悩んでいるであろう「腰痛」についてです。 脊椎すべり症は椎骨が前後にずれている状態です。分離症に伴って起こるすべり症(分離すべり症)と、分離に伴わないもの(変性すべり症)とに分けられます。 分離すべり症は椎間関節の分離によって脊椎の安定性が悪くなり、さらに成長期では椎体が変形したり、壮年期では椎間板が変性するなどして発症します。分離に伴わないすべり症は、椎間板の変性によるものが多く、腰部脊柱管狭窄症の原因となっています。 脊椎分離症は椎間関節の基部の骨が分離する状態です。 原因として、腰の曲げ伸ばしや捻り運動を繰り返すことで徐々に骨の分離が起こる...

2022.10.12

心肺機能、筋骨格系の発達と維持のための運動量と質-まとめ

フィットネスがもたらす健康効果とは? 定期的な身体活動や運動は、男女を問わず、身体的・精神的な健康上の多くの利点と関連しています。身体活動を定期的に行うことで全死亡が遅延します。これは、座りがちな生活や身体活動が不十分な生活から推奨身体活動レベルを達成する生活に変えることで身体活動を増やした場合にも当てはまります。 運動と身体活動は、冠動脈性心疾患(CHD)、脳卒中、2型糖尿病、一部のがん(大腸がんや乳がんなど)の発症リスクを低下させます。 運動と身体活動は、血圧を下げ、リポタンパク質プロファイル、CRP、その他のCHDバイオマーカーを改善し、インスリン感受性を高め、体重管理に重...

2022.10.08

テレビゲームにおける筋骨格系障害-長時間の座位含む

テレビゲームは、世界で最も人気のあるレクリエーション活動の1つです。2021年には、全世界で約32.4億人のテレビゲーマーが存在しました。 過去数年間、世界のゲーム産業は成長を続けています。その結果,2021年の世界市場規模は1760億ドル近くになりました。これは、2019年の世界のフィットネス・ヘルスクラブ産業の市場規模のほぼ2倍であり、レジャー活動分野でも大きな割合を占めています。 したがって、テレビゲームは短期的なトレンドと見なすことはできません。しかし、特にゲーム業界は、世界的なコロナの大流行によって制限されなかったことを心に留めておくことが重要です。それどころか,多くの人...

2022.10.07

高強度インターバルトレーニングの脂肪酸化に対する効果

数十秒のトレーニングを行い、その半分の時間の休憩を挟んだのちにまた数十秒のトレーニング→休憩…これを繰り返す事を『インターバルトレーニング』と言います。 最近は、インターバルトレーニングの中でも“高強度インターバルトレーニング(HIIT/ヒート,ヒット)”がよく書籍などでも紹介されるようになりました。HIITは全身運動の要素が高い筋トレと休憩を繰り返すのが特徴です。 HIITは高強度ゆえ、時間当たりの消費エネルギーがかなり高くなります。よって脂肪の燃焼に優れているとされています。 スプリントインターバルトレーニング(SIT)は走るインターバルトレーニングで、全力ダッシュと休憩...

2022.10.05

高齢者も有酸素運動より筋トレを優先すべき理由

心肺機能と筋肉量の低下は、いずれも加齢に伴うものであり、これらの低下はそれぞれ健康状態の悪化と関連しています。筋力トレーニングは、高齢者において筋肉量と機能を改善することは、以前から知られています。しかし、一般的に勧められている運動様式は有酸素運動です。 若年層における筋力トレーニングは心肺機能も改善することがわかっていますが、高齢者も同様に心肺機能が改善するなら高齢者集団の健康寿命もさらに延ばせる可能性があります。 有酸素運動よりも筋力トレーニングの方がトータルの恩恵が大きいなら、特に時間的制約(運動に割ける時間が少ないほど忙しい/運動をできるだけ効率よくして他の楽しみな...

2022.10.04

運動不足はCOVID-19の重症化リスクの高さと関連する

新型コロナウイルスについての詳しい情報は厚生労働省のHPをご確認ください。 新型コロナウイルス(COVID-19)が日本に上陸してから2年半ほどが経ちました。最近では、おそらくワクチンの普及やウイルスの変異(弱毒化?)により重症化率が低下しています。 国民の新型コロナウイルスに対する警戒感も緩和しているように感じます。ニュースで話題になる事も少なくなりました。 とはいえ、自己防衛のために基本的な感染予防対策(手洗い・うがい・換気)はできる限り行っていきたいですね。ウイルスはCOVID-19だけではありませんから。 運動とCOVID-19の重症化リスクを調査した研...

2022.09.30

健康のための毛細血管新生–トレーニング強度と持続時間の効果

骨格筋の毛細管形成は、骨格筋における酸素や栄養の供給、代謝物の除去の中心的な決定要因であり、健康および運動パフォーマンスにとって重要な意味をもっています。筋毛細管形成はインスリン感受性に必須であり、全身最大酸素摂取量および限界出力(筋代謝の恒常性が徐々に失われる生理的限界)と関係があるように思われます。 したがって、筋の毛細管が増加することは、健康と運動パフォーマンスの両方にとって有利であると考えられています。 身体活動のレベルは、筋毛細血管形成に影響を与えます。座りがちな生活、固定された状態、ベッドでの安静は、全てではないが、いくつかの研究で毛細血管網の退行性変化と関連しています...

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