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  • 2023.07.30

パーソナルトレーニングは高齢者の筋力向上に影響する


監視なしの自宅トレーニング(UHB)が、加齢による有害な影響を軽減する健康効果をもたらすことは以前から示されていますが、UHB運動プログラムが監視ありのプログラムと比較してどの程度効果的であるかはまだわかっていません。

今回は、高齢者において、監視された運動プログラムが監視されていないプログラムよりも筋力変数を有意に改善するかどうかを分析した研究を紹介します。

結論からいうと、監視下でのトレーニングの方が、下半身の筋力を有意に改善するため、可能な限り監視下での運動セッションが推奨されます。上半身の筋力についてはあまり変わらないが、データが少ないので判断しかねるということでした。

つまり、自宅でのトレーニングよりもパーソナルトレーニングの方が効果が高まるということです。

方法:2名の研究者が5つのデータベース(PubMed、CINAHL、PsycInfo、SPORTDiscus、Web of Science)を2022年9月4日まで体系的に検索した。電子的検索は徹底的なマニュアルレビューによって補足された。高齢者(60歳以上)において、監視下センターベース(SCB)とUHBを比較した無作為化対照試験を対象とした。分析したアウトカムは、ハンドグリップテストと膝伸展テストをそれぞれ用いた上半身と下半身の筋力であった。

結果:合計9,191件の論文が見つかった。最終的に12の研究が最終的な統合に含まれた(N = 1,238、平均年齢67歳)。合計11の研究が下半身の筋力を分析し、4つの研究が上半身の筋力を分析していた。

SCBトレーニングは、UHBと比較して、膝伸展テストで測定された下半身の筋力を有意に改善した。異質性はなかったが、出版バイアスの兆候が見られた。感度分析では、各研究を一度に削除しても有意性が確認された。

ハンドグリップテストにより測定された上半身の筋力変数において、SCBトレーニングは専門家の監督なしのトレーニングと比較して、より大きな有効性は認められず、異質性や出版バイアスの兆候は認められなかった。

考察:センターでの専門家の監督下でのトレーニングは、直接の監督なしの自宅でのトレーニングよりも、下半身の筋力の測定値をより大きく改善した。しかし、上半身の筋力については、追加的な効果は認められなかった。これは、このアウトカムを分析した研究の数が少ないことと、ほとんどの運動プログラムが下半身のエクササイズにのみ焦点を当てているという事実によるのかもしれない。我々の分析は、高齢者の下半身の筋力を向上させるためには、可能な限りSCB運動セッションが推奨されることを示唆している。

まとめ

同じ目的でプログラムされたトレーニングでも、実施者は自宅でのトレーニングではどこか全力を出しきれない、腹八分くらいの運動量でやめてしまうなどがあるのでしょう。高齢者に限らず、自宅でのトレーニングを行っている人はそのような経験をしたことがある方も多いと思います。

監視されたトレーニング(=パーソナルトレーニング)では“もうひと頑張り”が効くのではないかと予想されます。これが中長期的に筋力差となって現れると考えられます。

筋トレの効果の面でもパーソナルトレーニングは効果が高く、安全性や環境面においてもパーソナルトレーニングの方が良い時間を過ごすことができます。

パーソナルジムで事故が増えているというニュースも見かけますが、資格を保有しており、十分な指導経験を積んでいるトレーナーなら安全に高い効果も期待でき、ご自身のフィットネスに関する知識も身につきます。

質の悪いトレーナーの見分け方は、身体のコンテスト実績を全面に押し出している、60分の単価が税込6,600円未満などです。この辺はまた別の機会に書いてみたいと思います。


参考文献

Does Supervision During Exercise Influence Strength Improvement in Older Adults? A Systematic Review and Meta-Analysis

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パーソナルトレーナー 井上大輔

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