健康のためにパーソナルトレーニング。糖尿病、高血圧、脂質異常
弊社には、現在の健康状態(糖尿病、高血圧、脂質異常症など)を改善したい方、状態が不安なので予防のために利用したいという方が沢山利用されています。そして、多くの会員様が歳を重ねるにも関わらず、健康状態は皆改善する傾向にあります。これは私が開業当初から「お客様の健康改善のためにパーソナルトレーナーとして関わる」という想いが実現しているところです。さらに多くの人に弊社のサービスを活用していただくために尽力して参りたいと考えております。
さて、パーソナルトレーニングが健康状態改善に効果があるのか?このテーマのヒントとなる研究を紹介します。
2型糖尿病患者における身体活動介入への遵守に関する系統的レビュー
生活習慣への介入は2型糖尿病(T2D)の管理を成功させるために極めて重要であるが、T2D患者が身体活動に関する助言を遵守している割合は十分に研究されていない。この系統的レビューの目的は、T2D患者における生活習慣介入における運動または身体活動要素の遵守に関するエビデンスを要約することである。
2019年11月12日にMEDLINE EMBASE、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Cochrane Database of Systematic Reviews、Scopusを検索した。対象とした研究は、T2Dの成人を登録し、一次または二次アウトカムとして生活習慣介入へのアドヒアランスの割合を報告したものである。
11件の研究(1717人の患者を登録した無作為化対照試験(RCT)9件、62人の患者を登録した非無作為化試験2件)を対象とした。バイアスのリスクが低い研究は1件のみであった。
- 身体活動を遵守している参加者の割合は32%~100%と幅があり、中央値は58%であった。
- 遵守率は監視下トレーニングを用いた介入で高く、遠隔コーチングを用いた介入で最も低く、観察研究における遵守率はRCTと比較して高かった(92%対55%;p<0.01)。
- 研究期間、バイアスのリスク、参加者の性別は、身体活動の遵守率とは関連していなかった。
- T2Dに対する身体活動介入を遵守するT2D患者の割合は大きく異なり、対象となった研究のほとんどはバイアスリスクが高かった。
これらの知見は、今後の試験の計画や検出力分析、および身体活動や運動要素を含む生活習慣介入について患者にカウンセリングを行う際に重要な意味を持つ。
2型糖尿病の管理には運動が欠かせませんが、定期的に運動を続ける人は半分程度(中央値58%)しかいません。この研究にはありませんが、フィットネスクラブ利用が2年未満だっ た者は47.6%という調査もあります(調査に参加したのが意識高い系の集団)。
注目すべきは「監視下トレーニングの介入で遵守率が最も高いこと」です。これはパーソナルトレーニングは特に当てはまるので、運動継続が達成されやすい要因になるかと思います。ひいては血糖値の改善につながる可能性が高いという事であり、弊社利用のお客様にも当てはまる事象であります。
また、「遠隔コーチングの介入で遵守率が最も低い」とあります。モニター越しではいつでも関係を断ちやすい点、いつでも利用できるという考えは逆にいつも利用しない事に繋がる傾向にあると考えられます。これはフィットネス業界で幽霊会員が多い事から説明できそうです。(=月会費払えばいつでも利用可だけど利用していない人)
人間は怠けるように本能でプログラムされています。生物学的にいえば、あえてエネルギーを消費する行為は食糧不足の時代においてはマイナスでしかないからです。人類はこうした期間を何万年と過ごしてきたため、身体活動をできるだけしないようにする本能が備わっています。(稲作が全国に広まったのは今から約2,500年前で人類からみれば浅い歴史)
従って、月会費システムのジムはごくごく一部の運動好きを除き、殆どの人にとってはミスマッチで、最悪幽霊会員に繋がる道なのです。
ここで、人間特有のコミュニケーション能力が運動遵守率を高めるキーになるのです。トレーニングスケジュールや食事で気をつける事項といった約束を守る行為やトレーナーとトレーニーの目標達成に向かう中での信頼関係など「想い」に関する部分は運動遵守にとって無視できない要素です。
肥満と心代謝性疾患のリスク
肥満の蔓延はパンデミック的な様相を呈しており、欧米先進国では成人の約25%が肥満である。健康上の大きな懸念として認識されている肥満は、複数の併存疾患、特に心代謝疾患と関連している。肥満症患者においては、最適な心代謝状態を維持することが第一の目標であるが、心代謝疾患のリスクを最小限に抑えるためには、体重、特に過剰な内臓脂肪を減少させることが必要であるようである。
キーポイント
- 肥満はパンデミック的な割合に達しており、その結果、心代謝性疾患を併発するリスクが増加している。
- 肥満は、遺伝的に決定された太古の生理学と現代の食生活やライフスタイルとの進化的ミスマッチである。私たちは肥満になるように進化したのではなく、過剰な脂肪を収容するための脂肪細胞の大規模な肥大など、肥満に関連する数々の不適応に対処するように進化したのでもない。
- 肥満は、白色脂肪組織、特に内臓脂肪沈着部の過剰な量と機能不全の両方と関連している。
- “代謝的に健康な肥満”はしばしば不健康な表現型への移行段階を反映している。
- 肥満者において体重を持続的にコントロールすることは、心代謝リスクの状態を改善する。
この研究にもある通り、肥満は太古から引き継ぐ遺伝子と現代の食・ライフスタイルのミスマッチにより起こっています。肥満は健康や財政にとっての大きな問題です。
体型の細い日本人も体脂肪率を見れば肥満型に分類される人が多いです。中高年〜高齢者で体脂肪率が男性25%以上、女性35%の人は要注意です。
目標を男性22%以下、女性32%以下に定めて定期的な運動を推奨します。
まとめ
現代は飽食の時代でカロリー摂り過ぎ、利便性高くて運動しなさ過ぎが生活習慣病の要因となっています。
安かろう悪かろうで効果の薄いものにお金を捨てる、最悪幽霊会員になるよりパーソナルトレーニングを一定期間活用し、運動と食事のやり方を学んで成果を出した方が良いです。それは一生使える知識と経験になるからです。結局それが効果も出るし、トータルで見れば低コストで済むことになります。
経済的に余裕があって健康意識の高い人ならパーソナルトレーニング一択です。
参考文献
- A systematic review of adherence to physical activity interventions in individuals with type 2 diabetes
- フィットネスクラブにおける長期継続会員の特性に関する研究
- 米が育んだ日本の歴史と文化
- Obesity and the risk of cardiometabolic diseases
- 男性・女性の体脂肪率の平均は?骨格筋率と併せてチェックしよう
関連
- 筋トレと有酸素運動の同時進行-骨格筋の量と機能に対する相反効果について
- 身体活動および座りがちな行動に関するWHO2020年ガイドライン
- 身体能力を維持するための最低限の運動量
- 筋トレ:低負荷と高負荷の筋力および筋肥大の適応
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パーソナルトレーナー 井上大輔(外科代謝栄養学会/臨床栄養代謝学会/感染症学会)
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