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2022.12.09

ジャガイモのタンパク質摂取による筋タンパク質合成

タンパク質の摂取と身体活動は筋タンパク質合成を刺激し、骨格筋量の維持と増加に不可欠です。運動後の回復期に摂取したタンパク質は、筋タンパク質合成率をさらに増大させ、より長時間の運動トレーニングに対する骨格筋の適応反応をサポートします。 安静時および運動回復時の食後の筋タンパク質合成率は、異なるタンパク質源を摂取した場合、大きく異なることが報告されています。タンパク質源の同化特性は、タンパク質消化およびアミノ酸(AA)吸収速度、ならびにタンパク質中のAA組成によって大きく左右されます。※同化特性=筋肉が大きくなろうとする反応 しかし、動物性タンパク質と植物性タンパク質の同化特性を比較し...

2022.12.03

冬の料理はダイエットに向いている

12月になりました。2022年もあと1ヶ月ということであっという間ですね。 12月からのイベントとして、忘年会、クリスマス、大晦日、そして年始の休暇、新年会と続くわけですが、ここで体重が増加してしまう人が沢山います。 とはいえよく考えてみれば、12月と1月で計約60日間あります。忘年会が職場と友達で2回、クリスマス、大晦日、三が日、新年会が職場と友達で2回、と仮定すると合計で9回の飲みの機会があると推定できます。 多少の機会増減があるにせよ、例えば「20回の機会があります」というケースは稀でしょう。 9回とすると60日分の9なので、それ以外の51日を健康的な食事で過ごす...

2022.11.30

身体活動(運動)とCOVID-19の感染、重症度、死亡のリスク

COVID-19の原因物質であるSARS-CoV-2は、2019年に武漢(中国・湖北省)で検出されました。2020年3月にWHOによってパンデミックと宣言されたCOVID-19は、壊滅的な人的・経済的影響をもたらしています。 世界中の研究者は、臨床的判断や公衆衛生戦略に役立てるため、ウイルス関連の罹患、入院、死亡の要因を理解する研究を継続的に行っています。年齢、性別、人種などの個人的な特徴や、糖尿病、肥満、高血圧、呼吸器疾患などの健康状態など、病気の重症度を高める危険因子はすでにいくつか確認されています。 定期的な身体活動が、前述のCOVID-19の重症度上昇の危険因子の発生率を下...

2022.11.22

認知症発症リスク軽減のための運動量。運動様式、時間、強度

認知症は単一の病気ではなく、症状群(症候群)です。症状としては、記憶力の低下があり、言語、空間感覚、計算、判断、抽象的思考、注意などの機能の低下など、他の認知機能にも影響を及ぼすことがあります。また、破壊的行動、人格変化、妄想や幻覚などの症状が現れることもあり、これらは対人関係や労働能力に影響を与えるほど深刻なものです。身体活動・運動と認知症の関連性は強いです。 内閣府の発表によると、日本における認知症患者数は、2025年には約700万人、5人に1人になると見込まれています。 認知症が発症すると自身だけではなく、周囲の人にも大きな影響を及ぼすため、できる限りの予防に努めることが大事...

2022.11.21

運動後ストレッチの回復への有効性(効果は無い)

みなさん、静的ストレッチ(いわゆる筋肉を伸ばして保持するストレッチ)は何の為に行いますか? ほとんどの方が、柔軟性を向上させたい、疲労を軽減したい、といった理由で実施しているのではないでしょうか。 果たして“ストレッチ”は本当に効果があるのか?まずはこの前提を疑ってかからなければなりません。多くの人がストレッチに対して『効果がある』と言い伝えを鵜呑みして実施しているように感じます。 ちなみに私はずいぶん前からお客様に対して、『ストレッチは不要です。時間の無駄です。』と説明しています。もちろん以下のような研究の結果を交えつつ、分かりやすく説明しています。 今回はそんな静的...

2022.11.20

運動と大腸がん:運動の安全性、実行可能性、有効性

大腸がんは世界で3番目に多いがんであり、2018年には約180万人が新たに診断されています。 診断時年齢の中央値は女性で69歳、男性で66歳であり、過去20年間、スクリーニング、診断、治療の改善により、生存率は最大で30%向上しています。現在、5 年相対生存率は 65%であり、大腸がん生存者は、女性・男性ともにがん生存者の中で最大のグループとなっています。 大腸がんの治療には、手術、放射線療法、化学療法、標的治療(単独または併用)があります。 診断された患者の大半(最大98%)が手術を受け、少なくとも3分の1が化学療法および/または放射線療法を受けます。手術は合併症のリスクが...

2022.11.14

ヨガと安静または理学療法との比較–腰痛とQOLに対して

ヨガは瞑想やエクササイズを混合させたものです。 ヨガの効果を調べてみると、肩こり・腰痛・むくみ・身体の引き締め・便秘など、各主訴に対してのアプローチがあり、それを改善すると言った記事(例えばコチラ)が沢山見られます。また、『インナーマッスルを中心に鍛えられ、ムキムキにならずに、しなやかな筋肉を養うことができる』などと謳われています。 ネットでよく見るヨガの効果に関する記事には、ホンマかいな?と思うような内容が書かれていることがあります。少なくとも身体の引き締め効果は怪しい…大体、「インナーマッスル」というものは医学的には存在しません。このワードはよくわかっていない人を信じ込ませるの...

2022.11.10

身体活動および座りがちな行動に関するWHO2020年ガイドライン

WHOによる身体活動と座りがちな行動に関する2020年のガイドラインを簡単にまとめて紹介します。 どの集団においても、身体活動を全くしないよりは、いく らかの身体活動をしたほうがよいのは明白です。現在、これらの推奨事項を満たしていない個人は、いくらかの身体活動を行うことで、健康に利益をもたらすでしょう。少量の身体活動から始め、時間をかけて徐々に頻度、強度、時間を増やしていくべきです。 座りがちな生活による潜在的な害は、身体活動の量と強度を徐々に増加させることで管理できるでしょう。 子供と青年(5~17歳)に対する勧告 エビデンスによると、子どもや青少年の身体活動は、身体的、精神...

2022.10.31

肉体労働による身体活動は健康上のリスクがある

身体活動は、健康結果を決定する最も重要な要因のひとつです。多くの筋骨格系の問題に対して、身体活動と運動がより良い健康への道であることは、よく知られ ています。身体活動は、強度、頻度、活動の種類によって異なりますが、幅広い身体的・心理的利益をもたらします。 ほとんどの国際的なガイドラインでは、成人は少なくとも150分/週の中強度の身体活動に参加することを推奨しています。 余暇身体活動(LTPA)とは、人が自由な時間に行う活動を表す言葉です。ジムでのトレーニングやボルダリング、登山やサイクリングなど屋内外でのアクテビティがそれにあたります。 職業性身体活動(OPA)とは、仕事に関...

2022.10.30

アルコールの悪影響-心臓血管系・肝臓・傷害-

最近、すっかり冷え込んできて、冬がそこまでやってきていると感じる季節になりました。これから年末年始まで飲み会が増えるシーズンです。 先日、国税庁が「若年層の需要喚起に向けた新たなサービスやプロモーション手法 」などを募集するビジネスコンテスト~サケビバ!~を発表し、日本国内のみならず、海外を含めて(悪い意味で)話題を集めました。ビジネスコンテストのPDFはコチラ アルコールは人体にとって悪影響が多いのは周知の事実ですが、国が国民に対して飲酒を推奨するのは驚きでした。なぜ厚生労働省は国税庁に対して抗議しないのでしょうねぇ?笑 この辺の政治的な話はさておき、今回はアルコールの悪影...

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