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  • 2023.08.01

【親御さん向け】小学生における運動能力と学力の相互関係


幼児期における身体活動(PA)、運動能力、学力間の縦断的動態を調査した縦断的研究はほとんどありません。そこで、フィンランドの小学生を対象に、1年生から3年生までのPA、運動能力、学力の間の時系列的な関連が調査されました。

結論からいうと、高いレベルの運動能力は入学初期の学業の成功に関連している可能性があります。

調査方法

ベースライン時に6~9歳であった189名の児童を研究サンプルとした。総合的な運動量は保護者が記入した質問票により、中等度から活発な運動量は心拍数と体動の複合モニターにより、運動能力は10×5mシャトルランテストにより、学力は1年生と3年生の算数の流暢さと読解力テストにより評価した。データは、性別、親の学歴、世帯収入で調整した構造方程式モデリングを用いて分析した。

結果

最終モデルはデータに非常によく適合し、潜在的な学力変数の分散の91%、潜在的なPA変数の分散の41%、第3学年における運動能力の分散の32%を説明した。1年生の運動能力の高さは3年生の学力の高さと関連していたが、PAを予測することはできなかった。PAは直接的にも間接的にも学力と関連していなかった。しかし、第1学年でのPAレベルが高いほど、第3学年での運動能力の向上が予測された。学力はPAや運動能力を予測しなかった。

結論

これらの結果は、身体活動ではなく運動能力の向上がその後の学力を予測することを示唆している。1年生の学力は、就学初期の身体活動や運動能力には寄与しない。

高いレベルの運動能力は学校への準備を反映している可能性があり、入学初期の学業の成功に関連している可能性があります。

入学前(保育園)から、子供たちに運動をさせておくことは非常に重要かと思います。運動は脳細胞を増加させることも分かっていますし。

一方で、入学前から運動の機会を与えられている子供たちの家庭は裕福である可能性も捨てきれません。習い事にはお金がかかるので。裕福な家庭の親は幼児教育への意識も高かったりするので、それが影響している可能性も排除できません。

今回の研究をベースに、もう一段回突っ込んだ研究が待たれるところです。

しかしながら、公園などで子供を遊ばせるといったことは無料で出来ます。運動は心身の発育にはプラスにしかならないので、子供にはゲームを与えるよりも公園に連れ出す方が良いのは間違いありません。


参考文献

Cross-Lagged Associations between Physical Activity, Motor Performance, and Academic Skills in Primary School Children

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パーソナルトレーナー 井上大輔

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