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2023.07.15

非職業的身体活動と心血管疾患、がんおよび死亡転帰のリスク

仕事以外での身体活動(=運動)習慣があると健康的になる事は良く知られています。傾向としては所得の高い人ほど運動習慣があるように見受けられます。 エグゼクティブはたとえ忙しくても朝早起きしてトレーニングを開始するか、早朝から仕事をしてひと段落ついた午前中にトレーニングをしたりしています。彼らは健康が最大の資本であることを知っており、その投資を怠りません。 今回は、運動が慢性疾患や死亡率にどのように影響を与えるかを調べた研究を紹介します。 結論からいうと、 活動レベルが高いほど死亡率が低く、心血管疾患やがんなどのイベントの発生率が低くなる 150分/週の中等度強度...

2023.07.14

食欲コントロールにより体重管理を試みる

栄養バランスの取れた食事とはどのようなものなのか、また最適な食事バランスはなぜ種間、個体間、経時的に変化するのでしょうか。これらの疑問に答えることは、生活史理論から進化生物学、採食理論、機能生態学、個体群生態学、群集生態学に至るまで、栄養学が直接関係する生物学の多くの分野に影響を与えます。応用的な利点としては、個体および個体群全体の食餌を最適化する可能性や、特定の健康または畜産目標を達成するための食餌介入を設計する可能性などがあります。 今回は食欲と栄養バランスの関係を調べた研究をざっと要約してみます。文章がちょっと長くなったので簡単にまとめると 人によって1食の目標タンパク質...

2023.07.10

手術前の高強度インターバルトレーニングと心肺フィットネスおよび術後転帰との関連性

心肺機能(CRF)は身体的および認知機能を改善し、心血管疾患、糖尿病、がんのリスク低下、術後合併症の減少、健康関連QOLの改善と関連しています。疾患のために酸素消費量の増加に対応できない患者は、合併症のリスクが高いことが分かっています。ほとんどの患者は心肺機能を増加させることが可能と考えられています。 また、虚弱は心肺機能の低値と関連しており、運動不足がその一因となっており、臨床的に広範かつ有害な影響を及ぼしています。 術前の限られた時間枠では、心肺機能を増加させるための的を絞ったアプローチが必要です。高強度インターバルトレーニング(HIIT)は、心肺機能を効率的に増加させる急速多...

2023.07.09

入院患者のウェアラブル活動量計を用いた介入~入院期間の短縮~

入院期間中は、患者の身体活動(PA)レベルが非常に低いことが特徴です。これは、患者が自立歩行が可能であるにもかかわらず、死亡率、機能低下、虚弱、障害の増加につながることが理解されています。さらに、観察研究では、入院中のPAレベルが高いほど、入院期間(LOS)が短く、再入院率が低下することが示されています。 また、入院中の1日あたりわずか900歩という少量の運動量でも、入院後の機能低下を防ぐようです。入院中の低レベルの運動量と様々な有害転帰との関連から、入院中の患者の運動量に取り組むことが重要であることが示唆されています。 今回は、入院中にウェアラブル活動量計(アップルウォッチやガー...

2023.07.08

筋トレ:低負荷と高負荷の筋力および筋肥大の適応

現在のレジスタンス・トレーニングのガイドラインでは、筋力および筋肥大の適応を最大化するためには、1反復最大(RM)の70%を超える負荷が必要であるとしています。筋力の向上は1~5RMの負荷で最適であり、肥大の向上は6~12RMの負荷で最適であるとしています。これらの推奨は、最大筋力適応を獲得するためには、重い負荷が必要であるという信念に基づいています。 しかし、低負荷でのトレーニングもやり方を間違えなければ筋肥大の適応を引き出すことが可能ともいわれています。 今回は、低負荷RTプロトコルと高負荷RTプロトコルの筋力および筋肥大の変化を比較した研究を紹介します。 結論からいうと...

2023.07.07

長時間の座位を解消して心代謝リスクを改善する

先進国では、座りっぱなしの時間がいたるところに存在し、健康への悪影響と関連しています。身体活動ガイドラインでは、座位時間の短縮を推奨しているが、座位時間を中断する頻度や時間を知らせる定量的なガイドラインは提供されていません。 今回は、座りっぱなし-休憩の頻度や時間を変化させた場合の有効性を評価すると同時に、座りっぱなし-休憩を複数回実施した場合の心代謝リスク因子に対する急性効果を検討した研究を紹介します。 方法 無作為化クロスオーバー試験において、中高年成人(n = 11)は、5日間に渡り、以下の8時間の条件を満たした: 1つの連続した座り仕事(コントロール)条件と、4つの座り...

2023.07.05

有酸素運動トレーニングの喘息に対する効果

“喘息”は、発作的な喘鳴や咳、呼吸困難などの症状を起こし、辛いものです。 たまに喘息持ちのお客様がいらっしゃる事があります。筋力トレーニングではお客様の様子を伺いながら、強度やインターバルを調整しながら対応しています。 今回は喘息と運動の関係を改めて調べてみました。今回は有酸素運動との関係です。 目的:成人の喘息患者において、有酸素運動トレーニングが喘息コントロール、肺機能、気道炎症に及ぼす影響を評価すること。 デザイン:システマティックレビューとメタアナリシス。 方法:成人の喘息患者における喘息コントロール、肺機能、気道炎症のアウトカムに対する8週間以上の有酸素運動...

2023.07.03

健康な成人に対する筋力トレーニングの進行モデル

特定のトレーニング目標に向けてさらなる適応を促すためには、漸進的な筋力トレーニングプロトコルが必要です。これを理解していない者が指導に当たると顧客は不利益を受ける事になります。ケガをしたり狙った事とは異なる効果だったり。 こうしたプログラムを組む技術は業界では『プログラムデザイン』や『ピリオダイゼーション』といった学問で今日までの研究・知見が体系化されています。これを学ぶには当然、時間やお金といった投資が必要ですが、安いパーソナルジムのトレーナー(もどき)はもちろん学んでいるはずがないので、安いパーソナルジムを使うと事故の発生確率は跳ね上がります。安かろう悪かろうはどの業界の商品でも同じ...

2023.06.29

暑さ対策は健康維持に不可欠

気候変動によって季節の境界が曖昧になった今、春、夏、秋、そして時には冬でさえも、ジリジリとした暑さがやってくるかもしれません。 高温は身体にストレスを与え、米国では(日本でも)毎年何千人もの熱中症患者や死者を出している。個人的な暑さ対策を立てることは、暑さ指数が急上昇したときに安全に過ごすのに役立ちます。 暑い時期に特に影響を受けやすいのは? 高温は誰にでも影響を与える可能性があります。しかし、子ども、屋外で働く人、妊娠中の人、健康上の問題や障害を持つ人、高齢者など、気温が上昇すると被害を受けやすくなる人もいます。例えば 幼児、特に乳幼児は、非常に高い気温に対応する身体的能...

2023.06.28

筋トレと有酸素運動の同時進行-骨格筋の量と機能に対する相反効果について

有酸素運動と筋力トレーニングを同時に行うことは、運動能力と健康の両方を向上させることを目的とした身体トレーニングとして最適と考えられています。 有酸素運動と筋力トレーニングの両方の実施は、これらの活動がある程度異なる適応と健康上の利益を誘発するため重要です。 例えば、有酸素運動は、有酸素運動能力の向上(すなわち、中枢性適応)とミトコンドリア密度の増加や毛細血管形成といった骨格筋の代謝的変化を促進します。 逆に、定期的な筋力トレーニングは、筋肥大と筋力およびパワーの増加をもたらしますが、骨密度も改善する可能性があります。健康維持における骨格筋の役割は、ここ10年で注目されるよう...

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