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2023.06.21

更年期・閉経後女性におけるトレーニングの血圧への影響

高血圧の有病率は、閉経前女性よりも閉経後女性で高いです。定期的なトレーニングは、高血圧症に有効であることが示されています。 今回は、更年期および閉経後の女性における収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)、平均動脈圧(MAP)に対するトレーニングの効果を総合的に検討した研究を紹介します。 結論からいうと以下の通りです。 筋力トレーニングは血圧を少し下げる効果がある 有酸素運動は血圧の改善には至らない 筋トレ+有酸素運動の複合トレーニングはより大きな血圧減少が示された 方法:文献検索は、MEDLINE、Embase、Cochrane CENTRAL、Cl...

2023.06.20

筋トレで糖尿病改善

糖尿病は高血圧と並んでとても身近な疾患だと思います。なぜなら健康診断で必ず”血糖値”は測定されるからです。皆さんも血糖値を気にしたことありますよね? 世界の糖尿病人口は5億3,700万人。成人の10人に1人(10.5%)が糖尿病に罹患している。 世界の糖尿病人口は、2030年までに6億4,300万人(11.3%)に、2045年までに7億8,300万人(12.2%)に増加すると予測されている。 糖尿病は2021年に110兆円(9,660億ドル)の医療費負担の原因となった。糖尿病の医療費負担は、過去15年間で316%増加した。 新型コロナに関連する死亡リスクを除...

2023.06.19

「運動」を「全ての身体活動」と考える

健康の為に「運動をしましょう」とよく言われるシチュエーションがあります。 運動をスポーツの事だと考えてしまう 多くの人は「運動」と聞くと、ウォーキングや走ること、筋トレ、テニスやフットサルや登山などのスポーツをすることを連想すると思います。これらは、改めてまとまった時間を確保する必要があったり、一時的に苦しい思いをする、場合によっては装備を整えるための出費も伴うことになると連想するでしょう。 こうしたスポーツの事だと考えると、週3~5回、1時間程度のまとまった時間を割かなければならない。そんな時間は取れないと多くの人が考える事でしょう。それもあってか、日本人のフィットネス参加率はいつ...

2023.06.16

高齢になると、夏の暑さに弱くなる

2021年3月28日にGeophysical Research Lettersに掲載された研究によると、夏が長くなっており、地球温暖化の結果としてこの路線が続く可能性があります。科学者たちは、過去60年間に秋、冬、春が短くなり、夏は20日近く増えていることを発見しました。このことがもたらす多くの懸念の中で、特に年齢を重ねるにつれて、熱に関連した健康問題のリスクが高まることが挙げられます。 暑さと年齢 あなたの能力は、コア(体内)体温を維持することに依存しています。「暑い環境では、体温が上昇しはじめます。体は汗をかき、血液を体の中心から皮膚表面に運び、熱を体外に逃がすことで熱を放出します。し...

2023.06.15

アルコールは筋肉を減らす

年末年始の休暇も終わった人が多いのではないかと思います。 1月は新年会の予定が入っている人も多いでしょう。先月から今月まではお酒の席が増えているかと思います。 今回はアルコールが筋肉に与える影響を簡単に解説します。 結論からいうと アルコールは筋肉の合成を妨げる アルコールは筋肉を減少させやすい体内環境になる 上記2つがアルコールによる筋肉への影響で、合わさることで筋肉が減ることになります。 多くのデータは、アルコールが、基礎的な条件下でも、成長因子、栄養素、筋収縮を含むいくつかの同化刺激に応答しても、主に全体的なタンパク質合成を損なうことを示唆してい...

2023.06.11

筋肉量と筋力をサポートするための動物性・植物性タンパク質の比較

骨格筋は、身体の安定性を支え、身体活動(運動)を可能にします。また、組織の構築と維持のために吸収後の状態でアミノ酸を供給したり、グルコースの取り込みと貯蔵の部位として機能するなど、重要な代謝機能を有しています。 筋肉の損失は有害な結果をもたらします。筋肉量の低下は、病的状態の増加、生活の質の低下、死亡率の上昇と関連しています。同様に、低い筋力は、死亡リスクの有意かつ独立した予測因子であることが示されました。 筋量と筋力の低下は、通常、様々な集団で加齢とともに観察されます。この加齢に伴う筋肉量と筋力の低下はサルコペニアと呼ばれ、現在では「筋肉の病気」として認識されています。 筋...

2023.06.10

高齢者における1日の歩数と死亡率との関係

歩く事は健康にとって必要な事ですが、デスクワークや便利な移動手段(電車・車・エレベーター・エスカレーター等)の普及により、多くの人は1日の歩数が少なくなっていると考えられます。 現在、厚生労働省では目標値を以下のように設定しています。 成人男性:9,200歩 成人女性:8,300歩 高齢男性:6,700歩 高齢女性:5,900歩 私自身、高齢者へのアドバイスとしては8,000歩を目指しましょうと言う事が多いです。8,000クリアできればそれでいいし、クリアできなくてもそれを目指す事で6,000を超えてくればそれなりに健康への恩恵を受ける事が出来ると考える...

2023.06.09

筋肉と体力が少ない高齢者に対する筋トレの効果

サルコペニアは、骨格筋量の進行性かつ全身的な減少に加え、筋力とパフォーマンスの低下を特徴とする加齢に伴う症候群です。簡単に言うと、『筋肉量が少なく、体力レベルの低い状態』です。 欧州老年医学会などの研究グループ(EWGSOP)によると、50歳以上の高齢者におけるサルコペニアの有病率は、地域住民で1~29%、長期介護環境で14~33%、急性介護環境で10%と報告されています。高齢者人口の増加に伴い、世界的にサルコペニアに対する関心が高まっています。 世界各国のBMIから見て取れるように、痩せ型の人が多い日本においては、サルコペニアまたは予備軍に該当する人は意外と多いのではないかと思わ...

2023.06.08

脂肪燃焼におけるL-カルニチンの効果

脂肪の燃焼を効率よくしたいと考えたときに「L-カルニチン」が候補に上がってくると思います。実際、お客様にもこれを飲んでいる人も度々いらっしゃいます。 今回は、脂肪燃焼に効くとされているL-カルニチンについての効果を2020年の文献を用いて確認してみましょう。 背景と目的 ビタミン様物質であるl-カルニチンの体重減少効果を検討した臨床エビデンスでは、一貫性のない結果が得られていた。そこで本研究では、最大数のランダム化比較試験(RCT)を対象として、l-カルニチン補給の体重および体組成への影響を検討し、初めて用量反応分析を行うことを目的とした。 方法と結果 2019年...

2023.06.02

運動はうつ病発症を軽減させる効果がある

うつ病は世界で3億2千万人いるとされており、決して珍しくない病気です。うつ病のサインや症状、治療法などについては厚生労働省のページをご確認ください。 うつ病の治療法はいくつかありますが、今回は運動が効果的かどうかを調べてみました。その中の研究の一つを要約して紹介します。 目的:身体活動がうつ病の発症と逆相関しているかどうかを調べるため,前向き観察研究から報告された,習慣的な身体活動とうつ病発症および潜在的なうつ病症状の増加との累積的な関連性を定量化した。 デザイン:系統的レビューとメタアナリシス。2020年1月以前に発表された、身体活動とうつ病の関連を報告した成人における...

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